※本記事は一般的な情報提供を目的としており、金融アドバイスではありません。個別のケースについては専門家にご相談ください。
この記事の要点
- オーイズミ(証券コード6428)は東証スタンダード上場。パチンコ・パチスロ向け機器を主力に、こんにゃくゼリーなど食品・EC事業も育てる多角化企業
- 2026年3月期は売上高217.2億円(前期比約8%増)、経常利益は前期から大きく回復し増収増益
- 1株当たり配当金は会社予想で12円、配当利回りはおよそ3.6%と相対的に高め。権利確定は3月
- 株価指標はPBR0.4倍前後・PER11倍前後と割安圏で推移。株主優待制度は設けていない
- 事業の柱が複数あることが、業績の振れをならす分散効果として意識されている
「オーイズミ 株」と検索する人が増えています。聞き慣れた社名ではないかもしれませんが、パチンコホール向けの機器でシェアを持ちつつ、こんにゃくゼリーや健康食品といった食品事業にも軸足を広げている、ややユニークな銘柄です。ここでは株式投資の視点から、オーイズミ(6428)の事業構造、最新の業績、配当や株価指標、そして投資判断で押さえておきたいポイントを整理していきます。
オーイズミ(6428)とはどんな会社か
株式会社オーイズミは、1974年に神奈川県秦野市で「大泉製作所」として産声を上げた企業です。現在の本社は神奈川県厚木市に置かれ、東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。証券コードは6428です。
もともとは遊技機関連の機器メーカーとして成長してきました。パチンコホールで使われるメダル計数機や両替機、カードシステムといった自動サービス機器が祖業であり、この分野では確かな存在感を持っています。近年はそこにとどまらず、食品や不動産、電気事業まで手を広げ、収益源の多様化を進めてきたのが特徴です。
ポイントは「遊技機器だけの会社ではない」という点です。とくに2020年1月に蒟蒻ゼリーなどを手がける食品会社を子会社化したことが、現在の食品・EC事業の土台になっています。一つの市場に依存しない体制づくりが進んでいます。
4つの事業セグメントを整理する
オーイズミの売上は、大きく分けて4つのセグメントから生まれています。投資を考えるうえでは、それぞれがどんな性格の収益を持つのかを理解しておくと、業績の見え方がぐっとクリアになります。
| セグメント | 主な内容 | 性格 |
|---|---|---|
| アミューズメント事業 | メダル計数機・遊技機器・遊技機・コンテンツの開発と販売 | 業界動向に左右されやすいが回復時の伸びが大きい |
| 食品・EC事業 | こんにゃく・蒟蒻ゼリー・健康食品・化粧品の製造販売 | 日常消費に近く、相対的に安定的 |
| 不動産事業 | 不動産の賃貸 | 継続的な賃料収入で収益の下支え |
| 電気事業 | 太陽光発電による売電 | 長期で安定したキャッシュ創出 |
注目したいのは、食品・EC事業が全売上高のおよそ44.6%を占めるまでに育っている点です。かつては遊技機器中心の会社でしたが、いまや食品が売上の柱の一つに並ぶ規模になっています。こんにゃくゼリーは日常的に消費される商品で、景気や遊技業界のサイクルとは異なるリズムで売上が立ちます。これが業績の振れをならすクッションとして機能していると評価されています。
不動産の賃料収入や太陽光の売電収入も、毎期コツコツ積み上がるストック型の収益です。派手さはありませんが、こうした安定収益が会社全体の足腰を支えているという見方ができます。
2026年3月期の業績は大きく改善
最新の2026年3月期決算は、株式投資の観点から見てインパクトのある内容でした。主な数字は次の通りです。
| 項目 | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 217.2億円 | 約+8.0% |
| 経常利益 | 6.61億円 | 大幅増 |
売上が前期比約8%伸びただけでなく、経常利益が前期から大きく回復したことが決算の主役です。けん引役となったのは、成長を続ける食品・EC事業と、苦しい時期を脱して黒字に転換したアミューズメント事業でした。利益を圧迫していた部門が浮上したことで、会社全体の数字が一気に明るくなった格好です。
知っておくべきこととして、アミューズメント事業は業界の動向や規制環境の影響を受けやすい性質があります。今回の黒字転換は明るい材料ですが、この回復が一過性なのか継続的なものなのかは、今後の四半期決算で確かめていく姿勢が大切です。
会社側は次期についても増収増益を見込んでおり、安定配当を維持する方針を示しています。利益の回復基調が続くかどうかが、株価を考えるうえでの一つの軸になりそうです。
配当はどうなっている?利回りと配当性向
インカム(配当収入)を重視する投資家にとって、オーイズミの配当は気になるところでしょう。会社予想ベースの1株当たり配当金は12.00円、これを株価で割った配当利回りはおよそ3.6%です。市場平均と比べても見劣りしない水準といえます。
- 1株当たり配当金(会社予想):12.00円
- 配当利回り(予想):約3.65%
- 権利確定月:3月
- 株主優待制度:設定なし
オーイズミは株主優待を実施していません。そのぶん、株主への還元は配当を通じて行う姿勢がうかがえます。優待目当てではなく、配当利回りそのもので評価するタイプの銘柄といえます。
配当性向にも触れておきましょう。2025年3月期の配当性向は109.6%と、その期の利益を上回る金額を配当に回した計算になります。前の2024年3月期は51.0%でした。配当性向が100%を超えるのは、利益が落ち込んだ局面でも配当水準を保とうとした姿勢の表れと読めます。利益還元への意識は高い一方で、利益が伸びていけば配当性向は無理のない水準に落ち着いていく、という見方もできます。
配当を見るときの落とし穴として、利回りの数字だけで判断しないことが挙げられます。利益とのバランス(配当性向)や、業績が回復基調にあるかどうかをあわせて確認すると、配当が今後も続けられそうかをより立体的に判断できます。
株価と投資指標を読み解く
続いて、株価の水準を測るための指標を見ていきます。直近の株価は314円前後(2026年6月上旬時点)で推移しており、時価総額はおよそ75億円です。比較的小型の銘柄に分類されます。
| 指標 | 目安の水準 | 見方 |
|---|---|---|
| PER(予想) | 11倍前後 | 利益に対して株価は控えめな評価 |
| PBR(実績) | 0.4倍前後 | 純資産より株価が低い、いわゆる割安圏 |
| 配当利回り | 約3.6% | インカム面で一定の魅力 |
とくに目を引くのがPBR0.4倍前後という水準です。これは、会社が持つ純資産(1株当たりの解散価値)に対して、株価がその半分以下に評価されていることを意味します。東証はPBRが1倍を割り込む企業に対して資本効率の改善を促す姿勢を強めており、こうした低PBR銘柄は「見直し余地がある候補」として個人投資家の関心を集めやすい傾向があります。
PER・PBRがともに低めで、配当利回りも一定水準――この組み合わせは、バリュー(割安)株を好む投資家にとって着目しやすいプロフィールです。業績の回復が続けば、指標の割安感が見直されるシナリオも考えられます。
投資判断で押さえておきたい着目点
ここまでの内容を踏まえ、オーイズミ株を検討するときに意識しておきたいポイントを整理します。
魅力として評価されている点
- 事業の多角化:遊技機器・食品・不動産・電気と収益源が分散しており、特定分野の不振を他がカバーしやすい
- 食品事業の成長:こんにゃくゼリーなど日常消費に近い商品が、安定した売上の柱に育ってきている
- 業績の回復:2026年3月期は増収増益。赤字だった部門の黒字転換が利益を押し上げた
- 指標の割安感:PBR0.4倍前後・PER11倍前後と、株価評価は控えめな水準
- 配当への意識:利回り約3.6%。利益が苦しい時期も配当を保とうとする姿勢がみられる
あわせて確認しておきたいこと
- アミューズメント事業は業界環境や規制の影響を受けやすく、黒字転換が定着するかは継続観察が必要
- 時価総額が小さめのため、株価の値動きが大きくなりやすい場面がある
- 配当性向が高い局面があった点は、利益と配当のバランスとあわせて見ておきたい
- 株主優待はないため、配当と値上がり益でリターンを考える銘柄
総じて、オーイズミは「割安指標 × 多角化 × 業績回復」という三拍子で語られることが多い銘柄です。安定した食品・不動産・電気の収益が土台を支え、そこに遊技機器の業績回復が乗る構図が続くかどうか。四半期ごとの決算で、利益の改善トレンドが本物かを確かめながら付き合っていくのが、堅実なスタンスといえそうです。
投資にあたっては、本記事の数字はあくまである時点の参考値であることを忘れないでください。株価や業績見通しは日々動きます。最新の決算情報や指標を自分で確認し、分散投資と余裕資金の範囲で判断することが、長く市場と付き合うコツです。
まとめ
オーイズミ(6428)は、パチンコ・パチスロ向け機器を祖業としながら、こんにゃくゼリーなどの食品・EC事業、不動産、電気と複数の収益の柱を持つ多角化企業です。2026年3月期は増収増益となり、苦しかった部門の黒字転換が業績を押し上げました。配当利回りは約3.6%、PBRは0.4倍前後と割安感のある指標が並び、バリュー株として関心を集めやすいプロフィールを備えています。一方で、遊技業界の動向や小型株ゆえの値動きには目配りが必要です。
オーイズミ(6428)の株はどう見る?業績・配当・指標から探る投資の着目点
投資の着目点をひと言でまとめると、「安定収益が支える土台に、業績回復と割安指標が重なっているか」を見ることです。食品や不動産による安定したキャッシュ創出、配当への前向きな姿勢、低めのPER・PBRといった要素が、この銘柄の評価軸になります。数字は時間とともに変わるため、最新の決算と株価指標を確認しながら、ご自身の投資方針に照らして無理のない範囲で検討していくことをおすすめします。













