※本記事は一般的な情報提供を目的としており、金融アドバイスではありません。個別のケースについては専門家にご相談ください。
株式投資のチャートを前にして「線がいくつも引いてあるけれど、どう読めばいいのかわからない」と感じた経験はないでしょうか。テクニカル分析の世界で長く支持されているのが、手塚宏二(てづか・こうじ)氏、通称小次郎講師が体系化した「移動平均線大循環分析」です。3本の移動平均線という、誰でもチャートに表示できるシンプルな道具だけで相場の方向を読み取る考え方として、株式・先物・FXまで幅広い投資家に知られています。ここでは、人物像から手法の中身、初心者が学ぶときのコツまでを、投資のヒントになる形で整理します。
この記事のポイント
- 手塚宏二氏は「日本に正しい投資教育を根付かせる」ことをライフワークに掲げるトレード手法研究家・トレードコーチ
- 代表的な手法は3本の移動平均線で相場を読む「移動平均線大循環分析」
- 相場を6つのステージに分け、買い・売りのどちらに優位性があるかを見極める発想が核
- 発展形として大循環MACDやボリンジャーバンドとの組み合わせも提唱されている
- 難しい数式を覚えなくても、並び順という視覚的な情報から始められるのが特徴
手塚宏二(小次郎講師)とはどんな人物か
手塚宏二氏は1954年に岡山県岡山市で生まれ、早稲田大学政経学部を中退後、金融会社で約30年にわたり外務員として営業の現場を経験したとされています。その後IT企業へ移り、新しいチャートソフトの開発にも携わってきました。相場の現場と、それを支えるシステムの両面を知る経歴が、後の手法づくりの土台になっていると評価されています。
2015年には、ライフワークである「日本に正しい投資教育を根付かせること」をさらに進めるため、手塚宏二事務所を開設したと紹介されています。単に手法を売るのではなく、自分で判断できる投資家を育てるという姿勢が一貫しているのが特徴です。
「小次郎講師」という呼び名で、私塾である投資塾やセミナー、書籍・教材を通じて学びの場を提供し、門下生からは専業トレーダーも多数生まれていると言われています。ラジオの経済番組などメディア出演も多く、テクニカル分析を一般の個人投資家にわかりやすく伝える存在として知られています。教える内容の根底には、米国の伝説的なトレーダー集団「タートルズ」のトレード手法を研究し、そこから発展させた独自の考え方があるとされています。
移動平均線大循環分析の基本的な考え方
移動平均線大循環分析は、その名の通り移動平均線を3本使うことが出発点です。移動平均線とは、一定期間の終値の平均を結んだ線で、価格の大まかな流れを示してくれます。1本だけでも方向感はつかめますが、ダマシ(一時的な逆方向の動き)に振り回されやすいという弱点があります。
3本に増やすことで、短期・中期・長期の力関係が一目でわかるようになります。3本がそろって同じ向きを示しているときほど、トレンドが本物である可能性が高い、という発想です。これによりダマシを減らし、大きなトレンド(大相場)を確実に捉えやすくなるとされています。
この手法のもうひとつの軸が「エッジ(優位性)」という考え方です。相場で毎回当てることは誰にもできません。しかし、買い・売りのどちらが有利な局面なのかを判断し、優位性のある側に賭け続けることで、長期的に勝ちを積み上げていく――この発想がトレード全体を貫いています。3本の移動平均線の並び順は、その優位性がどちらにあるかを教えてくれる「ものさし」というわけです。
相場を6つのステージに分ける見方
大循環分析の象徴とも言えるのが、短期・中期・長期3本の位置関係から相場を6つのステージに分類する考え方です。価格は「上昇→天井→下降→底→上昇」というサイクルを繰り返すという前提に立ち、いまどの局面にいるのかを並び順から判断します。
| ステージ | 並び順の状態 | 相場のイメージ |
|---|---|---|
| 第1ステージ | 上から短期・中期・長期 | 安定した上昇期。買いに優位性 |
| 第2ステージ | 短期が中期を下抜け | 上昇の勢いが弱まる天井圏 |
| 第3ステージ | 短期が長期も下抜け | 下降相場への入り口 |
| 第4ステージ | 上から長期・中期・短期 | 安定した下降期。売りに優位性 |
| 第5ステージ | 短期が中期を上抜け | 下げの勢いが弱まる底値圏 |
| 第6ステージ | 短期が長期も上抜け | 上昇相場への入り口 |
6つのステージは時計回りのように循環するため「大循環」と呼ばれます。いまが第1ステージなら次は第2へ、というように、次に来やすい局面をあらかじめ想定できるのが利点です。
第1ステージのように、上から短期・中期・長期ときれいに並んだ強い上昇の状態を「パーフェクトオーダー」と呼びます。下降であれば長期・中期・短期の順です。3本が美しく順番に並んでいるときこそトレンドが力強い局面であり、優位性のある側にエントリーする判断材料になると説明されています。
パラメーター設定と使い方のコツ
移動平均線は期間(パラメーター)の設定で表情が変わります。大循環分析で初心者向けに紹介されることが多い設定は、短期=5日・中期=20日・長期=40日です。短期は数日の値動き、中期はおよそ1か月、長期は2か月程度の流れを表すイメージで、日足チャートで使いやすい組み合わせとされています。
数字そのものを暗記する必要はありません。大切なのは「3本がどう並んでいるか」「いま何ステージか」を読む習慣をつけることです。設定はまず標準値で固定し、慣れてから自分の取引スタイルに合わせて調整していくとよいと言われています。
実際の使い方としては、第1ステージで買いを検討し、第3〜第4ステージに移ったら手じまいや売りを考える、といったように、ステージの移り変わりを売買のシナリオづくりに使うのが基本です。ステージが切り替わる瞬間を「移行のサイン」として観察することで、感情に流されず一定のルールで判断しやすくなります。
発展形としての大循環MACD
大循環分析を理解した先にある応用が「大循環MACD」です。MACDは2本の移動平均線の差をもとにトレンドの勢いを測る代表的な指標ですが、手塚氏はこれを大循環分析の発想と結びつけ、パラメーターの異なる複数のMACD的な視点で相場の勢いとステージを同時に捉えられるように発展させたとされています。
移動平均線の並び順(方向)と、勢いを測るMACD(強弱)を重ねて見ることで、「トレンドの向き」と「その勢いが増しているか衰えているか」を立体的に判断できるのが狙いです。仕掛けと手じまいのタイミングを整理する道具として紹介されています。
いきなり大循環MACDから入るより、まずは3本の移動平均線とステージの見方を体に覚えさせてから取り組むほうが理解が進みやすい、という順序で語られることが多い点も押さえておきたいところです。
ボリンジャーバンドとの組み合わせ
手塚氏の教材では、移動平均線大循環分析にボリンジャーバンドを組み合わせる切り口も扱われています。ボリンジャーバンドは価格のばらつき(変動の大きさ)を帯で示す指標で、相場が落ち着いているのか、大きく動き出そうとしているのかを読み取る手がかりになります。
ステージでトレンドの方向を確認し、ボリンジャーバンドでエネルギーの溜まり具合や拡大を確認する。複数の視点を重ねることで、ひとつの指標だけに頼るより判断の精度を上げようという考え方です。
ただし、指標を増やすほど良いというわけではありません。手塚氏の教えでは、道具の数より使いこなしの深さが重視されています。まずは大循環分析という軸をしっかり持ち、その補強として別の指標を足していく――という積み上げ方が、迷いを減らすうえで役立つとされています。
初心者が学ぶときのポイント
これから学ぶ人に向けて、つまずきにくい進め方を整理します。テクニカル分析は、知識を詰め込むより同じ見方を繰り返して習慣化することが上達の近道だと言われています。
- まず3本の並び順だけを見る:細かい指標は後回しにして、短期・中期・長期がどう並んでいるかを毎日チャートで確認する
- いま何ステージかを言葉にする:「第1ステージだから買い優位」のように、自分でステージを口に出して判断する練習を重ねる
- 標準パラメーターで固定する:5日・20日・40日のまま、設定をいじりすぎない
- シナリオを先に決める:エントリーする前に「どのステージになったら手じまうか」を決めておく
- 少額・記録から始める:判断とその結果をノートに残し、振り返りで精度を高める
どんな手法にも当たり外れはあります。大循環分析も例外ではなく、レンジ相場(方向感のない横ばい)ではステージが頻繁に切り替わり、判断が難しくなる注意点があります。だからこそ「優位性のある局面だけを狙う」「外れたら早めに撤退する」という資金管理とルールが手法そのものと同じくらい大切だと強調されています。
受賞歴と評価
手塚氏は、投資コラムや教材の分野で複数の賞を受けていると紹介されています。投資情報メディアのコラムアワードを連続で受賞したほか、投資書籍の年間表彰では大賞・準大賞・特別賞を含めて長期にわたり名を連ねたことが知られています。こうした実績は、手法の中身だけでなく、わかりやすく伝える力が評価されてきた証だと言えるでしょう。
読者からは「移動平均線の見方が整理できた」「相場の局面を言葉で説明できるようになった」といった評価の声があるとされています。一方で、テクニカル分析全般に言えることとして、過去のパターンが将来をそのまま保証するわけではない点は、どの学び手も意識しておきたいところです。
著書には『真・トレーダーズバイブル』をはじめとする複数の書籍やDVD教材があり、株式編・ボリンジャーバンド編・大循環MACDへの応用編など、段階的に学べる構成になっているのも特徴です。独学で迷ったときに、体系立った教材で全体像を確認できるのは心強い点と言えます。
まとめ
手塚宏二(小次郎講師)が体系化した移動平均線大循環分析は、3本の移動平均線の並び順という視覚的な情報から相場を6つのステージに分け、買い・売りのどちらに優位性があるかを見極める手法です。難しい数式を覚えなくても始められる入り口の広さと、大循環MACDやボリンジャーバンドへと深めていける拡張性の両方を備えているのが魅力です。土台にあるのは「自分で判断できる投資家を育てる」という投資教育への一貫した姿勢で、その点が長く支持されている理由だと評価されています。
手塚宏二(小次郎講師)の移動平均線大循環分析|株のトレンド分析の基本をまとめました
まずは標準パラメーター(5日・20日・40日)で3本の並び順を毎日見る習慣をつけ、いま何ステージかを言葉にすることから始めるのが、つまずきにくい学び方です。優位性のある局面を狙い、外れたら早めに撤退する――このルールと資金管理を手法とセットで意識すれば、チャートを前にしたときの迷いはぐっと減らせるはずです。投資判断は最終的にご自身の責任で、無理のない範囲から少しずつ実践を重ねていきましょう。














