米国株式への投資を検討している個人投資家の皆様へ。配当収入と資産成長の両立を目指す投資方法として、注目を集めているETF商品があります。それがiシェアーズ 米国連続増配株 ETFです。本記事では、このETFの特徴、投資メリット、そして実際の運用状況について詳しく解説します。
iシェアーズ 米国連続増配株 ETFとは
iシェアーズ 米国連続増配株 ETF(銘柄コード:2014)は、ブラックロック・ジャパンが運用する上場投資信託です。世界最大級の資産運用会社であるブラックロック・グループの傘下にあり、高い運用品質が期待できます。
このETFは、Morningstar米国配当成長株式指数への連動を目指しており、継続して配当を増加させている米国株式で構成されています。単なる高配当銘柄ではなく、配当を増やし続けている企業に焦点を当てた投資商品という点が大きな特徴です。
2024年1月17日に東京証券取引所に上場したこのETFは、新NISA制度の成長投資枠の対象商品としても認定されており、税制優遇制度を活用した投資が可能です。
連続増配株とは何か
iシェアーズ 米国連続増配株 ETFが投資対象とする「連続増配株」について理解することは、このETFの価値を正しく評価するために重要です。
連続増配株とは、5年以上連続して配当を増加させている企業の株式を指します。これは単に配当を支払っているだけではなく、毎年その配当額を増やし続けているという実績を持つ企業です。
このような企業の特徴として、以下の点が挙げられます。まず第一に、株主還元に積極的に取り組んでいる企業であることです。配当を増やし続けるということは、経営陣が株主価値の向上を重視していることの証です。
第二に、長期にわたって配当を増配できる成長力を持った企業であることです。単に現在の利益から配当を支払うだけでなく、将来の成長を見込んで配当を増やし続けることができる企業が対象となります。
これは、成熟企業で高い配当を支払っている企業に投資する高配当株ETFとは異なります。連続増配株は、安定的な収益が期待できる成熟企業でありながら、今後の成長余力があるという大きな特徴を持っているのです。
投資対象企業の選定基準
iシェアーズ 米国連続増配株 ETFの連動指数である「Morningstar米国配当成長株式指数」は、厳格な選定基準に基づいて構成されています。
まず、対象企業は米国株式市場の時価総額上位97%をカバーする「Morningstar米国株式指数」の構成銘柄である必要があります。これにより、一定規模以上の流動性と信用力を持つ企業のみが対象となります。
さらに、投資の神様として知られるウォーレン・バフェット氏も注目する「エコノミック・モート」という概念が重視されます。これは、長期にわたって経済的利益を維持できる構造的な競争優位性を意味します。つまり、市場での競争力が持続可能な企業が選ばれるのです。
加えて、財務の質が高い企業が重視されます。単に配当を支払う能力があるだけでなく、その配当が持続可能であることが重要です。企業の財務健全性を厳密に評価することで、配当カットのリスクを最小化しています。
さらに興味深い点として、過去5年間の連続増配実績だけでなく、企業収益予想などをもとにしたスクリーニングが行われます。これにより、今後も配当を維持・増加させる能力があるかどうかを測ることができます。つまり、過去の実績だけでなく、将来の成長可能性も評価されるのです。
iシェアーズ 米国連続増配株 ETFの主な特徴
低コストな運用
投資を行う際、運用コストは長期的なリターンに大きな影響を与えます。iシェアーズ 米国連続増配株 ETFの信託報酬(税込)は0.121%という低水準です。これは、多くのアクティブ運用ファンドと比較して大幅に低いコストであり、長期投資家にとって大きなメリットとなります。
年間0.121%というコストは、100万円の投資に対して年間1,210円程度の費用に相当します。この低コストにより、配当収入をより多く手元に残すことができます。
少額からの投資が可能
このETFの売買単位は10口単位であり、最低購入代金は約2,900円程度です。これは、個人投資家にとって非常に手軽な投資額です。
少額からの投資が可能であるため、積立投資でコツコツと資産を増やす投資にも適しています。毎月一定額を投資することで、ドルコスト平均法の効果を期待でき、市場の変動リスクを軽減することができます。
定期的な分配金
iシェアーズ 米国連続増配株 ETFは、年4回の分配金を支払います。具体的には、毎年2月、5月、8月、11月の9日に分配金が支払われます。
現在の分配金利回りは約1.64%程度であり、定期的な収入を期待することができます。この分配金は、配当再投資に回すことで複利効果を得ることも、生活費の補填に充てることも可能です。
NISA制度への対応
このETFは、新NISA制度の成長投資枠の対象商品として認定されています。NISA制度を活用することで、配当金や売却益に対する税金を一定期間非課税にすることができます。
これにより、税制優遇を受けながら、より効率的に資産を増やすことが可能になります。特に長期投資を予定している投資家にとって、NISA制度の活用は重要な選択肢です。
配当成長と株価上昇の両立
iシェアーズ 米国連続増配株 ETFの最大の魅力は、配当成長と株価上昇の両方を期待できるという点です。
一般的に、高配当株は成熟企業が多く、株価の上昇余地が限定的であることがあります。一方、成長株は株価の上昇が期待できますが、配当が少ないことが多いです。
しかし、連続増配株は異なります。これらの企業は、安定的な収益を持ちながらも、今後の成長を見込んで配当を増やし続けている企業です。つまり、現在の配当収入を得ながら、将来の株価上昇も期待できるのです。
配当を増やし続けるということは、企業が利益を増やし続けていることを意味します。利益の増加は、やがて株価の上昇につながる可能性が高いです。このように、配当成長と株価上昇が相互に関連している点が、このETFの大きな強みなのです。
ポートフォリオの特性
iシェアーズ 米国連続増配株 ETFのポートフォリオ特性を見ると、以下のような特徴が見られます。
株価純資産倍率(PBR)は3.79です。これは、企業の純資産に対して株価がどの程度プレミアムを付けているかを示す指標です。この水準は、市場全体と比較して適正な範囲内にあります。
株価収益率(PER)は22.54です。これは、企業の利益に対して株価がどの程度の倍数で評価されているかを示します。この水準は、成長性を期待できる企業として適正に評価されていることを示唆しています。
これらの指標から、このETFが投資対象とする企業群は、バランスの取れた評価を受けていることがわかります。過度に割高でもなく、割安でもない、適正な価格で取引されている企業が中心となっているのです。
業種構成とリスク分散
iシェアーズ 米国連続増配株 ETFは、景気に左右されにくいディフェンシブな業種へのウェイトが多めという特徴があります。
ディフェンシブ業種とは、景気変動の影響を受けにくい業種を指します。例えば、生活必需品、医療、公共事業などが該当します。これらの業種は、景気が悪化しても需要が減少しにくいため、安定した配当を期待できます。
同時に、このETFはバリュー株とグロース株の両方を含んでいます。バリュー株は割安に評価されている企業で、グロース株は成長が期待できる企業です。この両者を組み合わせることで、様々な市場環境に対応できるポートフォリオが実現されています。
このような業種構成により、市場全体の変動に対して比較的安定したパフォーマンスを期待できます。
運用資産と流動性
iシェアーズ 米国連続増配株 ETFの運用資産は、2026年1月30日時点で約78.6億円です。これは、上場後約1年で着実に資産が増加していることを示しています。
運用資産が増加することは、投資家からの信頼が厚いことを意味します。また、資産規模が大きいほど、ETFの運用がより効率的に行われる傾向があります。
流動性の面でも、直近90日間の平均売買高は約119,988口であり、十分な取引量があります。これにより、投資家は比較的容易に売買することができます。
スプレッド(買値と売値の差)は0.09%程度と狭く、取引コストも最小限に抑えられています。
米国株式投資の魅力
iシェアーズ 米国連続増配株 ETFを通じて米国株式に投資することは、いくつかの大きなメリットがあります。
まず、米国は世界最大の経済規模を持つ国です。米国企業は、グローバルな競争力を持ち、世界中で事業を展開しています。このため、米国株式への投資は、実質的に世界経済への投資とも言えます。
第二に、米国企業の多くは、株主還元に積極的です。配当金の支払いや自社株買いを通じて、株主価値の向上に注力しています。これは、日本企業と比較して、より積極的な株主還元姿勢が見られます。
第三に、米国株式市場は世界で最も流動性が高く、透明性が高い市場です。企業情報の開示が充実しており、投資判断に必要な情報が容易に入手できます。
第四に、米国経済は長期的には成長を続けてきた実績があります。技術革新、人口増加、資本投下などにより、米国企業の利益成長が期待できます。
長期投資への適性
iシェアーズ 米国連続増配株 ETFは、長期的な資産形成を目指す投資家に特に適しています。
連続増配企業は、安定した経営基盤を持ちながら、継続的に成長している企業です。このような企業の株式を長期保有することで、配当収入と株価上昇の両方を期待できます。
複利効果を活用することで、時間とともに資産が加速度的に増加する可能性があります。配当金を再投資することで、その配当金がさらに配当を生み出すという好循環が生まれます。
また、長期投資により、短期的な市場変動の影響を軽減することができます。市場は短期的には変動しますが、長期的には上昇傾向を示してきた歴史があります。
分散投資の重要性
iシェアーズ 米国連続増配株 ETFは、分散投資を実現するための優れたツールです。
個別株式への投資では、特定の企業の経営悪化や業績不振により、大きな損失を被るリスクがあります。一方、ETFは複数の企業の株式を組み合わせているため、個別企業のリスクを分散することができます。
このETFは、連続増配という厳格な基準で選定された複数の米国企業に投資しています。このため、個別企業のリスクを最小化しながら、米国株式市場全体の成長を享受することができます。
また、少額からの投資が可能であるため、限られた資金で効率的に分散投資を実現できます。
税制面でのメリット
iシェアーズ 米国連続増配株 ETFをNISA制度で運用することで、いくつかの税制メリットが得られます。
NISA制度の成長投資枠では、年間300万円までの投資に対して、配当金や売却益が非課税となります。通常、配当金には20.315%の税金がかかりますが、NISA制度を活用することで、この税金を回避できます。
例えば、年間4.8円の分配金を受け取る場合、通常は約0.98円の税金がかかります。しかし、NISA制度を活用すれば、この税金を支払う必要がありません。長期投資では、この税制優遇の効果が大きく、最終的な資産形成に大きな影響を与えます。
投資を始める際の注意点
iシェアーズ 米国連続増配株 ETFは優れた投資商品ですが、投資を始める際にはいくつかの注意点があります。
まず、株式投資には価格変動リスクがあることを理解する必要があります。市場の変動により、購入時の価格より低い価格で売却することになる可能性があります。
第二に、配当金は保証されていません。企業の業績悪化により、配当が減少または停止される可能性があります。ただし、このETFが投資対象とする連続増配企業は、配当維持能力が高いと考えられます。
第三に、為替リスクがあります。米国株式は米ドル建てであるため、円高になると円ベースでの価値が低下します。ただし、このETFは円建てで運用されているため、為替ヘッジが施されています。
第四に、投資は自身の資金状況と投資目標に基づいて行う必要があります。余裕資金で、長期的な視点を持って投資することが重要です。
ポートフォリオへの組み入れ方
iシェアーズ 米国連続増配株 ETFは、個人投資家のポートフォリオにおいて、複数の役割を果たすことができます。
まず、配当収入の源泉として機能します。定期的な分配金により、安定した現金流を期待できます。
第二に、資産成長の源泉として機能します。連続増配企業の株価上昇により、資本利得を期待できます。
第三に、ポートフォリオの安定化に貢献します。ディフェンシブな業種へのウェイトが多いため、市場変動時の下落幅を軽減する効果が期待できます。
例えば、成長株や新興国株式などのより変動性の高い資産と組み合わせることで、バランスの取れたポートフォリオを構築できます。
まとめ
iシェアーズ 米国連続増配株 ETFは、配当成長と株価上昇の両立を目指す投資家にとって、優れた投資選択肢です。低コストで、少額から投資でき、NISA制度にも対応した、個人投資家にとって使いやすいETFです。連続増配という厳格な基準で選定された米国企業への投資を通じて、長期的な資産形成を実現することができます。
連続増配で安定収入狙う「iシェアーズ米国連続増配株ETF」徹底解説をまとめました
iシェアーズ 米国連続増配株 ETFは、単なる高配当株式への投資ではなく、配当を増やし続けている成長企業への投資です。このETFを活用することで、現在の配当収入を得ながら、将来の株価上昇も期待できます。低コストで、少額からの投資が可能であり、NISA制度の税制優遇も活用できるため、個人投資家にとって非常に有効な投資ツールとなります。長期的な視点を持ち、コツコツと資産を増やしていきたい投資家にとって、このETFは検討する価値のある選択肢です。














