レコード級の特別利益を計上した森永乳業株式会社の決算報告をご紹介します。今期は大幅な増収増益となり、事業の成長と収益力の強化が進んでいることがうかがえます。健康や美味しさを追求した新商品の提供や、M&Aを活用した海外事業の拡大など、積極的な成長投資にも注目が集まります。次なる飛躍に向けて、商品力や事業基盤の強化に引き続き取り組んでいく様子が伝わってきます。
企業情報
企業名: 森永乳業株式会社
証券コード: 22640
決算期: 2023年3月期
森永乳業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
森永乳業株式会社の決算日は3月31日です。2023年3月期の決算発表は2024年2月13日に行われました。
主な事業
森永乳業株式会社は、牛乳、乳製品、アイス、飲料、育児用ミルクなどの食品事業を中心とした企業です。乳製品の製造・販売を主な事業としながら、飼料、プラント設備の設計施工などの事業も展開しています。健康指向の高まりに応えるさまざまな機能性食品の提供にも注力しており、国内はもとより海外事業の拡大にも積極的に取り組んでいます。
今期の業績と利益率は?
当期の連結売上高は4,232億円と前年比4.4%の増収となりました。連結営業利益は280億円、連結経常利益は286億円と、ともに大幅な増益となりました。売上高営業利益率は6.6%と高水準を維持しています。原料価格高騰などの影響もありましたが、価格改定や高付加価値商品の積極投入などにより収益力を高めています。
売上・利益の推移
過去の業績推移をみると、森永乳業は2023年3月期第3四半期】では増収増益を達成しました。前年同期と比べて売上高は4.4%増、営業利益は36.9%増加するなど、着実な業績拡大が続いています。特に、ヨーグルト、機能性食品、チーズ、バター・クリームなどの主力商品が好調に推移したことが寄与しています。今後も収益基盤の強化と成長分野への投資を進めていく方針です。
四半期連結貸借対照表について
森永乳業の総資産は5,727億円と前期末比で852億円増加しました。保有する現金や預金、売掛金が増加したことが主な要因です。一方、負債合計は2,899億円で、前期末比307億円の増加となりました。有利子負債は増えているものの、自己資本比率は48.5%と高水準を維持しており、安定した財務体質を確保しています。
資産の部
流動資産は主に現金及び預金、売掛金の増加により、前期末から約620億円増加しています。一方、固定資産は土地や建物、機械装置などの増加により約230億円増加しました。研究開発や成長投資の強化が進んでいることがうかがえます。
負債の部
流動負債は短期借入金や未払税金などの増加により約430億円増加しています。一方、固定負債は社債の償還などで約120億円減少しています。有利子負債は一定程度増加しましたが、全体として健全な財務体質を維持しています。
純資産の部
純資産は前期末から545億円増加し、2,828億円となりました。利益剰余金が増加したことが主因です。このため、自己資本比率は48.5%と高水準を維持しており、財務の健全性が高いことが分かります。
ROAとROE
森永乳業のROA(総資産利益率)は5.4%、ROE(自己資本利益率)は25.1%となっています。前期と比べて大幅に改善されており、資産効率の向上と自己資本の有効活用が進んでいることが分かります。収益性が高まり、投資効率も良好な状態にあるといえます。
キャッシュフロー
キャッシュ・フローの状況を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは既存事業の収益力強化や在庫管理の改善などにより前期比で大幅に改善しています。一方で、設備投資やM&Aなどの投資活動によるキャッシュ・アウトも増加傾向にあります。財務活動では自己株式の取得などがあり、全体としては手元流動性が高まっていることがうかがえます。
配当の支払額
森永乳業は1株当たり90円の期末配当を実施しています。前期から10円増配しており、業績好調を反映した株主還元の強化が図られています。配当性向は30%と、中期的な目標の30%前後で推移しており、企業価値向上とバランスの取れた株主還元を重視する経営方針が伺えます。
今後の展望
森永乳業は中期経営計画2022-24の達成に向け、事業の高付加価値化や成長投資の強化、経営基盤の強化などに取り組んでいきます。ヨーグルトや機能性食品、海外事業の拡大などが成長の柱となるほか、原価改善やコスト管理の強化にも注力する方針です。総合的に見れば、引き続き健全な収益力と財務基盤を背景に、企業価値の向上に努めていくことが期待されます。
編集部のまとめ
今回の森永乳業の決算では、大幅な増収増益が確認できました。既存事業の収益力強化や、海外展開の加速など、さまざまな取り組みによって業績が堅調に推移している様子が分かります。財務面でも、自己資本比率48.5%と健全性が高く、株主還元にも配慮した経営が行われているといえます。今後は、新商品の投入やM&Aなどを通じた事業の継続的な成長が期待されます。
森永乳業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
森永乳業株式会社の決算日は3月31日で、2023年3月期の決算発表は2024年2月13日に行われました。また、同社は1株当たり90円の期末配当を実施しており、前期から10円の増配となっています。業績拡大を背景に株主還元も充実させており、健全な経営が持続的に行われている企業といえるでしょう。