株式会社ダイドーリミテッドの直近の決算報告を分析すると、同社は新型コロナウイルス感染症の影響からの回復基調に乗り、衣料事業と不動産賃貸事業の両部門で業績の向上が見られました。 特に、経済活動の正常化に伴う個人消費の回復やインバウンド需要の増加を受けて、衣料事業の小売部門の売上が好調に推移したことが特徴的です。
企業情報
企業名: 株式会社ダイドーリミテッド
証券コード: 32050
決算期: 2023年3月期
株式会社ダイドーリミテッドの決算日・決算時期(スケジュール）は？
株式会社ダイドーリミテッドは、 3月31日が決算日で、年1回の決算を行っております。したがって、決算発表のタイミングは通常 6月下旬 となります。
主な事業
株式会社ダイドーリミテッドは、衣料品事業と不動産賃貸事業の2つが主力事業です。 衣料品事業では、自社ブランドの企画・製造・販売を行っており、不動産賃貸事業では東京都千代田区に所有する商業施設の賃貸を行っています。 これらの事業を通じて、安定的な収益の確保と事業の拡大を目指しています。
今期の業績と利益率は？
当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が 20,913百万円、営業損失が 575百万円、経常損失が 435百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失が 763百万円 となりました。 利益率については、売上総利益率が 51.0% と前年同期に比べて改善しました。
売上・利益の推移
直近2期の売上高は、前年同期比で 5.3% の増加となっています。また、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する四半期純損失については、前年同期と比べて減少傾向にあります。 このように、感染症の影響からの回復基調に乗り、徐々に業績も改善してきている状況と言えます。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の総資産は 39,785百万円、負債合計は 26,463百万円、純資産は 13,322百万円 となりました。 前連結会計年度末と比べると、有形固定資産が増加したことで総資産が微増しています。一方で、純資産は配当により減少しました。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が 4,161百万円と手許流動性が確保できるほか、不動産賃貸事業における賃貸用不動産が増加したことで、有形固定資産が前期末から大幅に増加しています。
負債の部
負債の部では、短期借入金が 6,616百万円、長期借入金が 5,664百万円 と金融機関からの借入金が主な構成となっています。
純資産の部
純資産の部では、配当による利益剰余金の減少から 13,322百万円 となりましたが、自己資本比率は 31.5% を維持しています。
ROAとROE
ROAは前年同期の-2.0%から-1.4%に改善、ROEは前年同期の-10.3%から-5.5%に改善しました。 これはコロナ禍の影響から緩やかに回復しつつあり、収益性の改善が進んでいることを示しています。 今後さらなる経営効率の向上と収益力の強化により、ROA、ROEともに改善していくことが期待されます。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが △737百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが △1,417百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが △3,236百万円 となりました。 これにより、現金及び現金同等物の期末残高は 4,022百万円 となっています。
配当の支払額
当期の配当は1株当たり 2.00円 の普通配当を実施しました。 前期に比べて1円増配となっており、株主還元の強化に取り組んでいる様子がうかがえます。
今後の展望
今後の見通しとしては、感染症の収束と経済活動の正常化により、消費マインドの改善や円安による外国人観光客の回復などで、衣料事業と不動産賃貸事業の両部門で業績拡大が期待できます。 また、製造部門の効率化や販路拡大、賃貸用不動産の有効活用などにも取り組み、収益力の向上を図っていく方針です。
編集部のまとめ
株式会社ダイドーリミテッドは、新型コロナウイルス感染症の影響からの回復基調にあり、衣料事業と不動産賃貸事業の双方で業績改善が進んでいます。 引き続き、感染症収束と経済活動の正常化に伴う需要回復に期待が持てる一方で、コスト管理の強化や収益力の向上にも取り組んでいく必要があります。 今後の中期的な視点での事業展開と経営効率の向上に注目が集まります。
株式会社ダイドーリミテッドの決算日や配当についてまとめました。
株式会社ダイドーリミテッドの決算日は 3月31日、決算発表時期は通常 6月下旬 となっています。 また、当期の配当は1株当たり 2.00円 の普通配当となり、前期比1円の増配となりました。 今後も、株主還元の強化に取り組んでいく方針です。
