株式会社MS&Consulting(以下、MS&C)の2024年第1四半期決算報告が公開されました。売上収益は前年同期比42,737千円増加し、事業が着実に拡大していることがわかります。ミステリーショッピングリサーチ(MSR)の売上が28.9%増加したことが大きな要因です。一方、営業損失は99,258千円から123,374千円と増加しており、人件費や原価の上昇が影響しているようです。今後の更なる業績改善に期待が高まります。
企業情報
企業名: 株式会社MS&Consulting
証券コード: E20870
決算期: 2月期
株式会社MS&Consultingの決算日・決算時期(スケジュール)は?
MS&Cの決算期は2月期です。第1四半期は2024年3月1日から5月31日までの期間となります。
主な事業
MS&Cは、顧客満足度向上を目的としたミステリーショッピングリサーチ(MSR)を基幹事業としています。また、従業員満足度調査「tenpoketチームアンケート」やコンサルティング・研修などの各種サービスも提供しています。SMBを中心に日本や海外のクライアントに対してこれらサービスを展開しています。
今期の業績と利益率は?
2024年第1四半期の連結売上収益は426,709千円と前年同期比で42,737千円の増加となりました。一方、営業損失は123,374千円と前年同期の99,258千円から増加しています。売上は伸びているものの、人件費や原価の上昇により利益率が悪化しています。
売上・利益の推移
直近の売上収益は増加傾向にありますが、営業損失が続いている状況です。MSRの売上が堅調に推移する一方で、SaaSやコンサルティングの売上が減少しています。今後の事業構造改革に期待がかかっています。
四半期連結貸借対照表について
2024年5月末時点の総資産は3,459,067千円で、前期末比90,921千円の減少となりました。これは主に営業債権の減少によるものです。一方、負債は696,150千円で27,840千円減少しています。借入金の返済などによりリスク軽減が進んでいます。純資産は2,762,917千円で、自己資本比率は80.9%と高水準を維持しています。
資産の部
流動資産は804,622千円で、現金及び現金同等物が418,972千円と比較的手元資金が厚めに確保されています。非流動資産は2,654,445千円で、のれんや無形資産が大きな割合を占めています。
負債の部
借入金は100,000千円まで減少しており、財務体質が改善されてきています。一方で、営業債務が529,772千円と高水準となっています。
純資産の部
利益剰余金が1,066,102千円と一定の水準を維持しています。自己資本比率は80.9%と高い財務健全性を示しています。
ROAとROE
ROAは前期末の8.5%から当期末7.5%に低下しました。一方、ROEは前期末の10.6%から当期末8.3%に低下しています。営業損失の継続により収益性が悪化しているためです。今後の利益改善が望まれます。
キャッシュフロー
営業活動キャッシュフローは178,094千円の収入となり、前年同期比で大幅に改善しました。一方、投資活動によるキャッシュフローは37,527千円の支出、財務活動によるキャッシュフローは51,034千円の支出となっています。全体としては現金及び現金同等物が89,274千円増加し、418,972千円まで積み増されました。
配当の支払額
当第1四半期連結累計期間では配当の支払いはありませんでした。前期は1株当たり9.0円の配当を実施しましたが、今期は未定となっています。業績動向を見守る必要があります。
今後の展望
MS&Cでは「MSRの再構築」を今期の重点課題に掲げています。MSRの売上が好調に推移しており、さらなる拡大に向けたオペレーション強化に取り組むとしています。一方で、人件費高騰などの外部環境の悪化もあり、収益性改善が課題となっています。今後の事業構造改革に期待が高まります。
編集部のまとめ
MS&Consultingは、顧客満足度向上に特化したリサーチ事業を展開しており、第1四半期の業績は概ね堅調な推移となりました。ただし、人件費の上昇などにより収益性は低下しており、今後の業績改善が課題です。事業の再構築とコストコントロールの両面で企業価値の向上を目指していくものと期待されます。
株式会社MS&Consultingの決算日や配当についてまとめました。
MS&Cの決算期は2月期で、第1四半期は2024年3月1日から5月31日までの期間となります。配当については前期は1株9.0円の実績がありましたが、今期は未定です。今後の業績動向に注目が集まります。