藤森工業株式会社の2023年12月期第3四半期決算が発表されました。まずは前年同期と比べて売上高が2.6%増、営業利益が20.9%増と、順調に推移していることがわかります。ただ、親会社株主に帰属する四半期純利益は29.0%減と減益となっています。主な要因は原材料高騰や人件費上昇、研究開発費の増加などですが、全体としては健全な経営状態が続いていると言えるでしょう。
企業情報
企業名: 藤森工業株式会社
証券コード: E02423
決算期: 3月
藤森工業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
藤森工業株式会社の決算期は3月31日です。毎年6月に株主総会を開催し、決算報告書を提出しています。第3四半期決算は2023年12月31日が期末で、2024年2月14日に四半期報告書を提出しています。
主な事業
藤森工業株式会社は、ウェルネス事業、環境ソリューション事業、情報電子事業、産業インフラ事業の4つのセグメントで事業を展開しています。主力製品は医療用包装材、液体容器、ディスプレイ関連材料、建築資材など多岐にわたります。成長分野としては、バイオ医薬品製造用シングルユースバッグや再生医療関連製品などが注目されています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期の連結業績は、売上高1,017億63百万円、営業利益63億79百万円、経常利益69億64百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益31億50百万円となりました。前年同期比で、売上高は2.6%増、営業利益は20.9%増と好調に推移しています。ただ、親会社株主に帰属する四半期純利益は29.0%減となりました。これは、偶発損失引当金の計上が影響したためです。
売上・利益の推移
直近の売上高は1,017億63百万円と、前年同期比で2.6%の増収となりました。また、営業利益は63億79百万円と、前年同期比で20.9%の増益となりました。ただ、偶発損失引当金の計上により、親会社株主に帰属する四半期純利益は31億50百万円と、前年同期比で29.0%の減益となりました。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の総資産は1,430億71百万円と、前年度末から146億30百万円増加しました。主な要因は、売上債権や現金及び預金の増加です。一方、負債は497億85百万円と106億26百万円増加しています。これは、仕入債務や未払金の増加、偶発損失引当金の計上などが影響しています。純資産は932億85百万円と、前年度末から40億4百万円増加しました。
資産の部
当第3四半期末の資産は1,430億71百万円と、前年度末から大幅に増加しています。主な要因は、現金及び預金が35億17百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が84億14百万円増加したことなどです。一方で、投資有価証券が16億8百万円減少しています。
負債の部
当第3四半期末の負債は497億85百万円と、前年度末から大きく増加しました。主な要因は、支払手形及び買掛金が55億3百万円、未払金が27億48百万円増加したほか、偶発損失引当金が21億98百万円計上されたためです。
純資産の部
当第3四半期末の純資産は932億85百万円と、前年度末から40億4百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金が23億20百万円、為替換算調整勘定が17億99百万円増加したことなどによります。自己資本比率は59.7%と、引き続き健全な水準を維持しています。
ROAとROE
藤森工業のROA(総資産経常利益率)は4.9%、ROE(自己資本当期純利益率)は3.4%となっています。前年同期と比べて、ROAは0.6ポイント上昇、ROEは1.8ポイント低下しています。ROEの低下は主に偶発損失引当金の計上によるものですが、全体としてはまずまずの収益性が維持できていると評価できるでしょう。
キャッシュフロー
当第3四半期の営業キャッシュフローは89億40百万円の収入、投資キャッシュフローは45億98百万円の支出、財務キャッシュフローは16億99百万円の支出となりました。前年同期と比べて、営業CF、投資CFともに増加しています。特に営業CFは大幅に改善しており、企業の収益力が高まっていることがわかります。一方で財務CFは減少しており、借入金の返済などが進んでいるようです。
配当の支払額
藤森工業は年2回の配当を実施しています。当期の中間配当は1株当たり42円、期末配当予想は42円となっています。前年同期と比べて配当は変わっておらず、年間配当金は84円を見込んでいます。総還元性向は50%前後で推移しており、株主還元にも力を入れている企業といえるでしょう。
今後の展望
藤森工業はウェルネス、環境ソリューション、情報電子、産業インフラの4つの事業を柱に、高機能な製品や新技術の開発に積極的に取り組んでいます。直近の第3四半期では原材料高騰などの影響はあったものの、生産性の向上や価格転嫁などで収益を確保できています。今後も事業競争力の強化に注力し、持続的な成長を目指していくと考えられます。
編集部のまとめ
藤森工業株式会社の2023年12月期第3四半期決算は、売上高、営業利益ともに前年同期から増加しており、主力事業の健闘が窺えます。 ただ、偶発損失引当金の計上で親会社株主に帰属する四半期純利益は減少しています。当社は幅広い事業領域を持ち、成長分野への投資も積極的に行っているため、今後の業績推移に注目が集まるでしょう。
藤森工業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
藤森工業株式会社の決算日は3月31日で、第3四半期末は12月31日です。年2回の配当を行っており、中間配当は1株当たり42円、期末配当予想も42円と、前年と同額の年間84円の配当を見込んでいます。株主還元にも力を入れている企業といえるでしょう。