三井物産の2023年12月期の決算報告書をご紹介します。総合商社大手の三井物産は、金属、エネルギー、機械・インフラ、化学品、鉄鋼製品、生活産業など幅広い事業を展開しており、今回の決算では収益9兆9,985億円、当期利益7,264億円と、順調な業績を示しています。
企業情報
企業名: 三井物産株式会社
証券コード: 8031
決算期: 2023年3月31日
三井物産株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
三井物産の決算期は3月31日です。四半期決算の報告は、6月、9月、12月、3月に行われます。
主な事業
三井物産は、金属資源、エネルギー、機械・インフラ、化学品、鉄鋼製品、生活産業、次世代・機能推進などの幅広い事業分野で活動しています。具体的には、資源開発プロジェクトの構築、環境・新技術・次世代燃料やウェルネス関連の事業投資、デジタル活用による価値創出など、多様な取り組みを展開しています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期の収益は9兆9,985億円、当期利益は7,264億円と、前期に比べ減少しました。しかし、総じて好調な業績を維持しており、利益率も7.3%と高水準を保っています。
売上・利益の推移
三井物産の売上高は過去3年間で11兆円から10兆円台に推移しています。一方、当期利益は8,408億円から7,264億円へ減少しましたが、依然として高水準を維持しています。総じて、堅調な業績を続けているといえるでしょう。
四半期連結貸借対照表について
三井物産の2023年12月期末の四半期連結貸借対照表を見ると、資産総額は16兆4,889億円、負債総額は9兆1,642億円、純資産は7兆3,247億円となっています。堅固な財務基盤を維持しつつ、成長投資にも注力していることが分かります。
資産の部
資産の部では、流動資産が5兆8,067億円、非流動資産が10兆6,823億円と、投資活動の活発さが窺えます。また、持分法適用会社への投資が4兆5,617億円を占めるなど、グループ経営の重要性が高まっています。
負債の部
負債の部では、流動負債が3兆9,116億円、非流動負債が5兆2,526億円となっており、長期債務が主体となっています。健全な財務体質を維持しつつ、成長投資を後押ししている様子が伺えます。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が5兆2,411億円、その他の資本の構成要素が1兆2,243億円と、内部留保の蓄積と、為替変動などによる評価益の積み上がりが確認できます。財務基盤は引き続き強化されています。
ROAとROE
三井物産のROA(総資産利益率)は4.7%、ROE(自己資本利益率)は11.0%となっています。前期よりROAは低下したものの、依然として高水準を維持しており、出資先の収益力向上や新規投資の効果が寄与していると考えられます。また、ROEも2桁台を確保しており、株主価値の向上に貢献している様子が窺えます。
キャッシュフロー
当期のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローが6,816億円のプラス、投資活動によるキャッシュフローが3,238億円のマイナス、財務活動によるキャッシュフローが6,770億円のマイナスとなりました。営業活動と投資活動のバランスがとれており、健全な資金繰りが行われていると言えるでしょう。
配当の支払額
三井物産は、株主還元の一環として1株当たり170円の年間配当を予定しています。前期比30円の増配で、中期的にも配当の維持・増加を目指す方針を示しています。株主の皆様への還元に力を入れていることが分かります。
今後の展望
三井物産は、中期経営計画において、3年間の基礎営業キャッシュフローの37%程度を目安に株主還元を行うとしています。収益力の維持・向上と、投資機会の発掘に注力しつつ、株主の皆様への適切な利益還元を行う方針のようです。世界的に不確実性が高まる中、三井物産は引き続き安定した業績を目指していくと考えられます。
編集部のまとめ
今回の三井物産の決算では、収益と利益ともに高水準を維持しており、財務基盤の強さも窺えます。また、堅実な株主還元策も注目できるでしょう。今後も新たな成長機会の発掘と、株主価値の最大化に尽力していくと考えられます。総合商社大手の確かな経営力が発揮されている決算だと言えるでしょう。
三井物産株式会社の決算日や配当についてまとめました。
三井物産の決算期は3月31日で、四半期決算は6月、9月、12月、3月に行われます。今期の年間配当は1株当たり170円と、前期比30円の増配となりました。これは、中期的に配当の維持と増加を目指す経営方針に基づくものです。業績好調を背景に、株主の皆様への適切な利益還元が行われていることが分かります。