伊藤忠エネクス株式会社の2023年12月期第3四半期決算報告がリリースされました。積極的な投資と収益性向上により、売上は減収も利益は増加する好調な決算となりました。このブログではこの決算概要をわかりやすく解説していきます。
企業情報
企業名: 伊藤忠エネクス株式会社
証券コード: 8133
決算期: 3月期
伊藤忠エネクス株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
伊藤忠エネクス株式会社の決算日は3月31日で、通期決算の発表は5月頃、第2四半期決算の発表は11月頃、第3四半期決算の発表は2月頃に行われます。
主な事業
伊藤忠エネクス株式会社は、ホームライフ事業(LPガス販売)、カーライフ事業(石油製品販売など)、産業ビジネス事業(船舶燃料販売など)、電力・ユーティリティ事業(電力小売など)の4つの事業を展開しています。幅広い事業ポートフォリオを有する総合エネルギー企業として知られています。
今期の業績と利益率は?
2023年12月期第3四半期の業績は、売上収益が7,093億円と前年同期比7.0%減少しましたが、営業活動に係る利益は225億円と前年同期比32.7%増加しました。また、当社株主に帰属する四半期純利益は132億円と前年同期比22.6%増加しています。
売上・利益の推移
直近3年間の業績推移をみると、売上収益は増減を繰り返しながらも、営業利益と当期純利益は堅調に推移しています。特に当第3四半期は、大規模太陽光発電所の売却やCS跡地の売却などによる一過性の利益計上もあり、良好な結果となりました。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の総資産は4,350億円と前期末比20億円増加しました。これは主に、販売数量増加に伴う営業債権の増加によるものです。一方、負債合計は2,450億円と前期末比76億円減少しており、社債及び借入金の返済が進んだことが要因です。自己資本比率は37.0%と健全な水準を維持しています。
資産の部
資産の部では、現金及び現金同等物が209億円、営業債権が1,203億円となっています。また、投資不動産12,912百万円、のれん521百万円などが主な資産項目です。
負債の部
負債の部では、社債及び借入金が47,849百万円、営業債務が1,287億円となっています。また、リース負債が24,379百万円などが主な負債項目です。
純資産の部
純資産の部では、株主資本が1,611億円と前期末比96億円増加しました。これは主に、当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものです。
ROAとROE
直近3年のROAは4%前後、ROEは8%前後で推移しています。当第3四半期はROAが5.1%、ROEが7.0%と、前年同期と比べ改善しています。これは、主要事業での収益性向上や投資の効果的な追及などが奏功していることが要因と考えられます。
キャッシュフロー
当第3四半期の営業キャッシュ・フローは203億円の収入となりました。これは主に、税引前利益の計上や減価償却費の計上によるものです。一方で、投資キャッシュ・フローは45億円の支出となりました。これは主に、大規模太陽光発電所や自社CS跡地の売却によるキャッシュの収入がある一方で、預け金の増加や有形固定資産の取得などによる支出があったためです。財務キャッシュ・フローは268億円の支出となりました。これは主に、社債及び借入金の返済や配当金の支払いによるものです。
配当の支払額
2023年12月期の配当金については、年間配当金は52円と前期より4円増加する予定です。配当性向は40%以上を目指しています。
今後の展望
2023年4月に策定した中期経営計画「ENEX2030」では、2030年に当期純利益200億円以上、実質営業キャッシュ・フロー450億円以上の達成を目標としています。再生可能エネルギー関連事業の拡大や水素事業への参入など、ESG重視の経営を進めていく方針です。
編集部のまとめ
伊藤忠エネクス株式会社の2023年12月期第3四半期は、売上は減収も利益は増加と好調な決算となりました。中期経営計画「ENEX2030」に基づいた積極的な投資と収益性の向上策が功を奏している模様です。今後も、エネルギー分野のリーディングカンパニーとしての地位を固めていくことが期待されます。
伊藤忠エネクス株式会社の決算日や配当についてまとめました。
伊藤忠エネクス株式会社の決算日は3月31日で、通期決算の発表は5月頃、四半期決算の発表は2月頃に行われています。また、同社の年間配当金は52円と前期より4円増加する予定で、配当性向は40%以上を目指しているなど、株主還元にも積極的に取り組んでいます。