ゼビオホールディングスは、スポーツ用品・用具の小売を中心に事業を展開する企業です。強豪企業のため、その決算内容にも注目が集まっています。今回の決算では、市場シェア拡大に向けた新規出店や既存店改装などに投資を行った一方で、コロナ禍を経て復調してきた需要の変化にも着目し、カテゴリー毎の対応を強化したことが成果につながりました。
企業情報
企業名: ゼビオホールディングス株式会社
証券コード: 82810
決算期: 3月期
ゼビオホールディングス株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
ゼビオホールディングスの決算期は3月期です。具体的な決算日は毎年3月31日となっています。そして、その決算報告書は翌年の6月頃に発表されます。
主な事業
ゼビオホールディングス株式会社は、スポーツ用品・用具を中心としたリテール事業を展開しています。スポーツウェア、シューズ、ゴルフ用品、キャンプ用品、ウィンタースポーツ用品など、幅広い品揃えを取り扱っています。国内を中心にショッピングセンターや専門店を展開しており、オンラインストアも運営しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間では、売上高1,821億46百万円、営業利益46億59百万円、経常利益53億69百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益32億46百万円を計上しました。前年同期比では売上高が1.0%増加したものの、設備投資や人件費などの増加により、各利益は減少しました。
売上・利益の推移
過去3年の連結業績をみると、売上高は概ね1,800億円前後で推移しています。一方で、利益面では2021年3月期に大きく落ち込んだものの、2022年3月期には回復傾向にあります。今期第3四半期では、新型コロナ禍の影響が緩和する中、部活動需要やインバウンド需要の取り込みなどで増収となった一方で、設備投資や人件費の増加により減益となりました。
四半期連結貸借対照表について
ゼビオホールディングスの四半期連結貸借対照表では、資産が2,192億円、負債が943億円、純資産が1,248億円となっています。
資産の部
資産の部では、商品が889億円と大きな割合を占めています。これは、新規出店や品揃え強化のための在庫の増加によるものです。一方で、現金及び預金が241億円と減少しており、設備投資やシステム投資などに充てられたことが要因です。
負債の部
負債の部では、仕入債務が595億円と大きくなっています。これは、秋冬物の商品仕入れが増加したためです。また、長期借入金が34億円と減少しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が984億円と大きな割合を占めています。過年度の利益の積み上げにより、財務基盤は健全に推移しているといえます。
ROAとROE
ゼビオホールディングスの収益性を示す指標として、ROA(総資産経常利益率)は2.4%、ROE(自己資本当期純利益率)は2.6%となっています。前年同期に比べ、ROAは0.9ポイント、ROEは1.5ポイント低下しています。これは、設備投資や人件費の増加により利益が減少したことが主な要因です。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュ・フローは81億円の収入となっていますが、設備投資などの投資活動によるキャッシュ・フローが72億円の支出となったため、全体としては自由キャッシュ・フローは9億円の収入にとどまっています。この資金は借入金の返済や配当支払いなどに充当されています。
配当の支払額
ゼビオホールディングスは、年2回の配当を行っています。当第3四半期累計期間では、1株当たり15円の中間配当を実施しました。この方針は継続される見込みです。
今後の展望
ゼビオホールディングスは、市場シェア拡大に向けた取り組みを継続していく方針です。具体的には、新規出店や既存店の改装による店舗ネットワークの拡充、接客サービス向上によるリアル店舗の付加価値向上、そして急回復するインバウンド需要の取り込みなどに注力していきます。また、コロナ禍で影響のあった一部商品の処分にも取り組んでおり、商品の鮮度向上を図っています。
編集部のまとめ
ゼビオホールディングスは、スポーツ用品小売りの大手企業として、市場環境の変化に合わせた対応を着実に進めています。新型コロナの影響が残る中でも、店舗ネットワークの拡充や接客サービスの向上、品揃えの最適化などに取り組み、市場シェアの拡大を目指しています。今後の業績回復に期待が高まる一方で、人件費や原価高の影響にも注意が必要です。引き続き、経営環境の変化を注視していきたいと思います。
ゼビオホールディングス株式会社の決算日や配当についてまとめました。
ゼビオホールディングスの決算日は毎年3月31日、決算報告書の発表は翌年6月頃です。また、同社は年2回の配当を実施しており、当第3四半期では1株当たり15円の中間配当を行いました。今後も安定的な配当政策が続くことが期待されています。