株式会社乃村工藝社の2024年3月期第1四半期決算が公表されました。売上高は前年同期比16.7%増の290億円と好調な結果となりました。コロナ禍からの回復や、専門店やホテルの改装などが寄与した模様です。利益面でも大幅な増益を果たし、会社の収益力の向上が伺えます。この決算報告を通して、乃村工藝社の事業内容や財務状況、今後の展望について詳しく見ていきましょう。
企業情報
企業名: 株式会社乃村工藝社
証券コード: 97160
決算期: 2024年2月期
株式会社乃村工藝社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社乃村工藝社の決算期は2月期です。第1四半期決算は2024年3月1日から2024年5月31日までの業績を報告しています。
主な事業
株式会社乃村工藝社は、ディスプレイ事業を主力としています。専門店やショッピングモール、ホテル、博物館など、さまざまな施設のディスプレイやインテリアを手掛けています。デザインから設計、制作、施工まで一貫したサービスを提供しており、高度な技術力と独創的なアイデアを強みとしています。
今期の業績と利益率は?
2024年3月期第1四半期の業績は、売上高が290億円と前年同期比16.7%の増収となりました。利益面でも営業利益が10億円、経常利益が11億円と大幅な増益を達成しています。コロナ禍からの需要回復や、収益性の高い専門店やホテルの改装案件が好調に推移したことが主な要因です。
売上・利益の推移
2023年3月期から2024年3月期第1四半期にかけての売上高と利益の推移を見ると、売上高は134億円から290億円と大幅に伸びている一方で、営業利益は5億円から10億円、経常利益は5億円から11億円と大きく改善しています。収益力の向上が明確に表れている決算となりました。
四半期連結貸借対照表について
2024年5月末時点の四半期連結貸借対照表では、総資産が777億円となっています。前期末から89億円減少しており、主な要因は受取手形・売掛金の減少です。一方で、負債は297億円と前期末から66億円減少しています。自己資本比率は58.0%から61.8%に改善され、財務体質の強化が進んでいます。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が365億円と、手元資金が潤沢にあります。また、受取手形・売掛金が235億円と、売上債権も良好に推移しています。固定資産は145億円と堅調に推移しています。
負債の部
負債の部では、支払手形・買掛金が139億円と大幅に減少しています。一方で、契約負債は34億円と増加しており、受注の拡大が伺えます。退職給付に係る負債も42億円と、社会保険料の負担が軽減されたことがうかがえます。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が343億円となっています。前期末から22億円減少しましたが、これは配当金3億円の支払いによるものです。自己資本比率は61.8%と健全な水準を維持しています。
ROAとROE
2024年3月期第1四半期のROAは1.5%、ROEは5.0%となっています。前年同期と比べて大幅に改善されており、収益性の向上と財務体質の強化が進んでいることがわかります。今後さらなる事業拡大と収益力の向上に期待が高まります。
キャッシュフロー
2024年3月期第1四半期のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュ・フローが15億円のプラスとなりました。一方で、投資活動によるキャッシュ・フローは1億円のマイナスとなっています。財務活動によるキャッシュ・フローは30億円のマイナスとなっており、これは主に配当金の支払いによるものです。全体としては総額で15億円の資金減少となりました。
配当の支払額
2024年3月期の年間配当金は27円となる予定です。前期実績の25円から2円の増配となっています。配当性向は約78%と高水準を維持しており、株主への還元に積極的な姿勢がうかがえます。
今後の展望
株式会社乃村工藝社は、収益性の向上と財務基盤の強化に取り組んでおり、中期経営方針の2年目として生産性向上や競争力ある人財の確保に注力しています。リアルな空間への需要回復や、インバウンド需要の拡大などにも期待がかかっています。今後も、高度なデザイン力とクリエイティビティを武器に、着実な成長が期待できる企業と言えるでしょう。
編集部のまとめ
株式会社乃村工藝社の2024年3月期第1四半期決算は、売上高、利益ともに大幅な増加を果たし、事業の回復基調が鮮明に表れた内容でした。収益性の改善や財務体質の強化にも着実な進展が見られ、今後の事業展開に期待がかかっています。デザイン力とクリエイティビティを強みに、さらなる飛躍が期待できる企業といえそうです。
株式会社乃村工藝社の決算日や配当についてまとめました。
株式会社乃村工藝社の決算期は2月期で、第1四半期の決算期間は2024年3月1日から5月31日までとなっています。2024年3月期の年間配当金は27円の予定で、安定した利益還元に努めています。また、自己資本比率の改善など財務体質の強化にも取り組んでおり、今後の業績拡大が期待できる企業と言えるでしょう。