株式会社テクノフレックスは、多様なメーカー製品を扱う総合商社です。2024年3月期第1四半期の決算報告では、市場環境の変化の中、防災・工事事業の好調により、一定の収益確保ができたことがうかがえます。一方で、自動車・ロボット事業の減収や継手事業の原価上昇など、課題もあることから、今後の事業展開に注目が集まります。中長期的には、新製品の開発や、M&Aも視野に入れた事業基盤の強化により、さらなる成長が期待できそうです。
企業情報
企業名: 株式会社テクノフレックス
証券コード: 34490
決算期: 12月期
株式会社テクノフレックスの決算日・決算時期(スケジュール）は？
株式会社テクノフレックスの決算日は12月31日で、第1四半期の決算発表は毎年5月15日前後に行われています。
主な事業
株式会社テクノフレックスは、継手事業、防災・工事事業、自動車・ロボット事業、介護事業の4つのセグメントで事業を展開しています。継手事業では、フレキシブル継手などの製造・販売を、防災・工事事業では防災関連商品の販売やメンテナンス工事を、自動車・ロボット事業では自動車関連部品の製造・販売を、介護事業では福祉用具のレンタルなどを行っています。幅広い事業領域を持ち、様々な顧客ニーズに対応しています。
今期の業績と利益率は？
2024年3月期第1四半期の業績は、売上高49.8億円、営業利益4.9億円、経常利益4.5億円、親会社株主に帰属する四半期純利益2.9億円と、前年同期比で減収減益となりました。主な要因は、自動車・ロボット事業の不振と、継手事業における原価高騰です。一方で、利益率の高い防災・工事事業が堅調に推移したことで、一定の収益確保ができました。
売上・利益の推移
2023年12月期は、売上高が152.1億円、経常利益が13.0億円、親会社株主に帰属する当期純利益が6.2億円と、前期からの増収増益基調を維持しています。2024年3月期第1四半期は一時的な減収減益となりましたが、通期では引き続き成長を続けることが期待されます。
四半期連結貸借対照表について
2024年3月31日時点の四半期連結貸借対照表では、総資産が324.6億円、純資産が225.6億円となっています。資産では、現金及び預金の増加や建設仮勘定の増加が主な変動要因です。負債では、長期借入金の増加が目立ちます。自己資本比率は69.5%と高い水準を維持しており、財務基盤は健全といえます。
資産の部
資産の部では、現金及び預金が43.3億円、受取手形、売掛金及び契約資産が49.1億円、原材料及び貯蔵品が27.9億円などが主な内訳となっています。建設仮勘定が3.5億円と前期末から増加しており、設備投資が継続的に行われていることがわかります。
負債の部
負債の部では、買掛金が13.3億円、長期借入金が50.4億円などが主な内訳となっています。長期借入金が前期末から3.4億円増加しており、設備投資等に充てられているものと推察されます。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が204.5億円、為替換算調整勘定が14.2億円となっています。利益剰余金の減少は、配当金の支払いによるものです。一方で為替換算調整勘定は増加しており、海外事業の拡大が進んでいることがうかがえます。
ROAとROE
株式会社テクノフレックスのROAは1.4%、ROEは4.0%となっています。ROAは前期に比べ若干低下しているものの、ROEは高い水準を維持しています。これは、自己資本の効率的な活用と、収益性の高い事業ポートフォリオを構築できていることが要因だと考えられます。今後も、さらなる収益力の向上とバランスシートの最適化を図っていくことが課題といえます。
キャッシュフロー
2024年3月期第1四半期のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュ・フローが2.3億円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが3.8億円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが4.9億円の収入となっています。設備投資や借入れの増加により資金需要が高く、一方で営業活動による収支が堅調に推移したことがわかります。今後の成長投資に向けた資金調達と運用のバランスが課題となってきそうです。
配当の支払額
2024年3月期の期末配当は1株当たり27円と、前期より5円の増配となる見込みです。配当性向は41.2%と、株主還元が強化されています。今後も業績の伸びに応じて、株主の皆様への適切な利益還元を行っていくことが期待されます。
今後の展望
株式会社テクノフレックスは、防災・工事事業の強化、自動車・ロボット事業の回復、継手事業の収益力改善に注力しています。また、M&Aを通じた事業基盤の拡大も視野に入れており、中長期的な成長に向けた取り組みを進めています。先行きの不透明な経営環境の中でも、柔軟な事業展開と経営基盤の強化により、持続的な成長を目指していくことが期待されます。
編集部のまとめ
株式会社テクノフレックスは、建築・産業分野での総合商社として、幅広い事業展開を行っています。2024年3月期第1四半期は一時的な減収減益となりましたが、防災・工事事業の好調や、長期的な収益力の改善に向けた取り組みから、今後の業績回復が期待できます。また、株主還元の強化や、成長投資への資金調達など、バランスの取れた経営が行われていることも評価できます。中長期的な視点で株式会社テクノフレックスの動向に注目していきたいと思います。
株式会社テクノフレックスの決算日や配当についてまとめました。
株式会社テクノフレックスの決算日は12月31日で、第1四半期決算は毎年5月15日前後に発表されています。 2024年3月期の期末配当は1株当たり27円と、前期より5円増配となる予定です。今後も業績に応じた適切な株主還元を行っていくことが期待されます。
