株式会社メディアドゥの2023年9月期第3四半期決算が発表されました。電子書籍の流通事業をメインに、新たなサービスの立ち上げにも着手している同社の業績をご紹介します。
企業情報
企業名: 株式会社メディアドゥ
証券コード: E30002
決算期: 2月末日
株式会社メディアドゥの決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社メディアドゥの決算日は2月末日です。第3四半期決算は11月30日に締めくくられ、2024年1月15日に四半期報告書が提出されています。
主な事業
株式会社メディアドゥは、「著作物の健全なる創造サイクルの実現」をミッションに掲げ、日本における文化の発展に貢献することを目指しています。主な事業は、電子書籍の流通事業と、その周辺領域の「戦略投資事業」です。電子書籍の取次や配信ソリューションの提供、さらにはNFTデジタル特典付き出版物の企画など、幅広い事業展開を行っています。
今期の業績と利益率は?
当期第3四半期の業績は、売上高が69,315百万円、営業利益が1,466百万円、経常利益が1,437百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が861百万円となりました。
売上・利益の推移
前年同期と比べて、売上高は11.2%減、営業利益は20.1%減、経常利益は18.3%減となっています。主な要因は、電子書籍流通事業における取引先の一部でキャンペーン施策の見直しによる成長率の鈍化と、前年度にあった大手取引先からの受託業務の減少の影響です。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期末の資産合計は51,483百万円、負債合計は33,918百万円、純資産合計は17,564百万円となっています。前期末と比べて、資産は601百万円増加、負債は190百万円減少、純資産は791百万円増加しています。
資産の部
流動資産は34,557百万円で、うち現金及び預金が10,785百万円となっています。固定資産は16,925百万円で、関係会社株式の売却によりその他投資有価証券が減少しています。
負債の部
流動負債は29,539百万円で、未払法人税等の増加などにより前期末から増加しています。固定負債は4,378百万円で、長期借入金が減少したため前期末から減少しています。
純資産の部
純資産合計は17,564百万円で、前期末から791百万円増加しています。利益剰余金が増加したほか、為替換算調整勘定などのその他の包括利益累計額も増加しています。
ROAとROE
ROAは前年同期の2.3%から2.6%に、ROEは前年同期の2.7%から4.9%に上昇しています。これは、利益水準の改善と自己資本の増加によるものです。収益力の向上と財務体質の強化が進んでいる状況と言えるでしょう。
キャッシュフロー
キャッシュ・フロー計算書は開示されていませんが、資産の部で現金及び預金が前期末から658百万円増加していることから、営業活動によるキャッシュ・インが堅調に推移していると考えられます。財務活動においては、借入金の返済によるキャッシュ・アウトがあった模様です。
配当の支払額
当第3四半期連結累計期間では配当は行われておりませんが、前年同期には1株当たり21円の配当が実施されています。今後の業績動向を見守る必要がありますが、株主還元の継続が期待されます。
今後の展望
メディアドゥは、電子書籍流通事業のシェア拡大に加え、新たな収益の柱となる「FanTop事業」の成長にも注力しています。NFTデジタル特典付き出版物の企画数や会員数を着実に増やすなど、事業の拡大を図っています。また、縦スクロールコミック事業でのオリジナル作品制作など、新たな取り組みにも期待がかかっています。
編集部のまとめ
メディアドゥは、電子書籍の取次事業を中心に収益を上げながら、新たなサービスの立ち上げにも積極的に取り組んでいます。業績は一時的に伸び悩みましたが、中長期的な成長を見据えた戦略を展開しており、今後の展開にも注目が集まります。株主還元も継続されることが期待されるでしょう。
株式会社メディアドゥの決算日や配当についてまとめました。
メディアドゥの決算日は2月末日で、第3四半期決算は11月30日に締められています。前年同期には1株当たり21円の配当が実施されていますが、当期は無配となっています。今後の業績と株主還元に期待が高まっています。