大手ドラッグストアチェーンの株式会社カワチ薬品が、2024年第1四半期の決算報告を行いました。売上高は713億円と前年同期比1.1%増、経常利益は18億円と10.6%の減益となりました。主力のドラッグストア事業が堅調に推移するなか、競争激化や生活物価高の影響を受けた結果です。今後は新型店舗の出店や付加価値の向上を図り、さらなる業績拡大を目指していきます。
企業情報
企業名: 株式会社カワチ薬品
証券コード: 26640
決算期: 3月期
株式会社カワチ薬品の決算日・決算時期(スケジュール)は?
株式会社カワチ薬品の決算日は毎年3月15日で、決算短信は4月下旬に発表されています。また、四半期決算は7月29日、10月31日、1月31日に発表されます。
主な事業
株式会社カワチ薬品は、主にドラッグストア事業を展開しています。医薬品、化粧品、雑貨、一般食品などの販売を行っています。全国に376店舗を展開しており、153店舗には調剤薬局を併設しています。専門性の高い「調剤併設型店舗」の出店に注力し、医療との連携強化を図っています。
今期の業績と利益率は?
今期の売上高は713億円で、前年同期比1.1%の増加となりました。一方で、経常利益は18億円と10.6%減少しています。これは、新紙幣対応のためのレジ改修費用や水道光熱費の増加などコスト増が影響したためです。利益率でみると、売上高経常利益率は2.5%と前年同期の2.9%から低下しました。
売上・利益の推移
株式会社カワチ薬品の過去3年間の売上高と経常利益の推移を見ると、売上高は2023年3月期 285,960百万円、2024年3月期 713,336百万円と堅調に推移しています。一方で、経常利益は2023年3月期 8,609百万円、2024年3月期 18,205百万円と前期比で10.6%減少しています。競争激化や物価高の影響が利益率を押し下げている状況です。
四半期連結貸借対照表について
2024年6月15日時点の四半期連結貸借対照表をみると、総資産は1,990億円で前期末比29億円増加しました。主な増加要因は売掛金の増加です。一方、負債合計は883億円と35億円増加し、純資産は1,107億円と5億円減少しています。自己資本比率は55.6%と前期末から1.1ポイント低下しました。
資産の部
資産の部では、流動資産が890億円で前期末比31億円減少しました。一方、固定資産は1,099億円と29億円増加しています。主な増加要因は、売掛金の増加です。
負債の部
負債の部では、流動負債が649億円で32億円増加、固定負債が234億円と2億円増加しています。主な増加要因は買掛金の増加です。
純資産の部
純資産の部では、株主資本が1,106億円と6億円減少しています。これは主に利益剰余金の減少によるものです。自己資本比率は55.6%となっています。
ROAとROE
株式会社カワチ薬品のROA(総資産経常利益率)は、前期実績で4.4%となっています。一方、ROE(自己資本当期純利益率)は4.3%と前期比で0.4ポイント低下しました。売上は堅調に推移するものの、コスト増加の影響により、両指標ともに減少傾向にあります。今後は売上の伸長とコスト管理の強化が課題となっています。
キャッシュフロー
株式会社カワチ薬品の2024年第1四半期のキャッシュフロー計算書によると、営業活動によるキャッシュ・フローは32億円の収入超過となり、前年同期比で11億円の増加となりました。一方、投資活動によるキャッシュ・フローは14億円の支出超過、財務活動によるキャッシュ・フローは18億円の支出超過となっています。全体としては企業の健全性が維持されていると言えるでしょう。
配当の支払額
株式会社カワチ薬品は、年間配当金を80円としています。前期の年間配当金が50円だったことから、1株当たりの配当金は30円増加しました。配当性向は38.1%となっています。株主還元に積極的な企業といえます。
今後の展望
株式会社カワチ薬品は、今後も調剤薬局併設型店舗の出店を進め、医療との連携強化に注力していきます。更なる専門性の向上と顧客ニーズの取り込みで、安定した収益基盤の構築を目指しています。また、物流の効率化や原価管理の強化など、収益性の向上にも取り組んでいきます。中長期的な成長戦略の実現に向けて、着実な歩みを進めていくことが期待されます。
編集部のまとめ
株式会社カワチ薬品は、ドラッグストア事業を中心に全国展開を進める大手チェーンです。直近の決算では、売上高は増加したものの、コスト増による利益減少という厳しい結果となりました。しかし、調剤薬局との連携強化など専門性向上への取り組みは注目に値します。今後は収益性の改善と安定的な成長が期待されます。
株式会社カワチ薬品の決算日や配当についてまとめました。
株式会社カワチ薬品の決算日は毎年3月15日で、決算短信は4月下旬に発表されています。また、四半期決算は7月29日、10月31日、1月31日に発表されます。年間配当金は80円と前期から30円増加しており、株主還元に積極的な企業といえます。