ニチハ株式会社の2023年12月期第3四半期決算報告書の内容を分析しました。同社は窯業系外装材などの製造・販売を手掛ける企業で、国内外の住宅需要に大きく影響を受けています。しかし、シェアアップと価格改定効果で増収となり、安定した事業基盤を築いています。今後も継続的な成長が期待できそうです。
企業情報
企業名: ニチハ株式会社
証券コード: 79430
決算期: 3月期
ニチハ株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
ニチハ株式会社の通期決算は3月31日に行われます。そして、四半期決算は6月30日、9月30日、12月31日の各四半期末に実施しています。決算発表は、四半期決算では2カ月後、通期決算では約2カ月後に行われます。
主な事業
ニチハ株式会社は、窯業系外装材の製造・販売を主力事業としています。特に、セメント系外壁材「ナ・ファーロ」や木質ファイバー系外壁材「ガルバウッド」などが人気の製品です。国内だけでなく、米国市場にも注力しており、幅広い事業展開を行っています。また、繊維板事業やFP事業など、関連分野の事業にも取り組んでいます。
今期の業績と利益率は?
ニチハ株式会社の2023年12月期第3四半期の業績は、売上高1,078億円、営業利益77億円、経常利益85億円、親会社株主に帰属する四半期純利益56億円と、概ね前年同期並みの水準を確保しています。利益率は適正な水準を維持しており、事業基盤の安定性が窺えます。
売上・利益の推移
ニチハ株式会社の売上高は、2022年3月期が1,380億円と過去最高を記録しました。2023年3月期も1,380億円前後の水準を維持しており、堅調な推移が続いています。一方で、利益面では、原材料価格高騰の影響もあり、2022年3月期の経常利益128億円から2023年3月期は128億円へと減益となりました。今後は価格改定の効果などにより、収益性の改善が期待されています。
四半期連結貸借対照表について
ニチハ株式会社の2023年12月末の四半期連結貸借対照表を見ると、総資産は1,779億円と前期末比約85億円増加しています。一方、純資産は1,263億円で、自己資本比率は71.1%と良好な財務体質を維持しています。
資産の部
資産の部では、受取手形及び売掛金が305億円増、商品及び製品が41億円増と、営業活動関連資産が増加しています。一方で、現金及び預金が62億円減となっています。
負債の部
負債の部では、支払手形及び買掛金が18億円増、短期借入金が11億円増となっています。固定負債も増加傾向にありますが、全体としては健全な負債水準を維持しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が18億円増加したことから、純資産合計が67億円増加しています。自己資本比率も高水準を維持しており、財務基盤は堅調です。
ROAとROE
ニチハ株式会社のROA(総資産経常利益率)は2022年3月期が7.6%、2023年3月期は予想で7.2%と、一定水準を維持しています。一方、ROE(自己資本当期純利益率)は、2022年3月期が7.6%、2023年3月期は予想で7.5%と、高い収益性を維持しています。これは、適正な資本効率と収益性を維持できていることを示しています。
キャッシュフロー
ニチハ株式会社のキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュ・フローが安定的に黒字を確保しています。一方で、設備投資などの投資活動によるキャッシュ・フローが大きなマイナスとなっています。このため、財務活動によるキャッシュ・フローでカバーしつつ、全体としては堅調な資金繰りを実現しています。
配当の支払額
ニチハ株式会社は、2023年3月期の期末配当金を1株当たり48.5円、中間配当金を57円と、合計年間配当金は105.5円を計上しています。安定的な配当政策を維持しており、株主還元にも努めています。
今後の展望
ニチハ株式会社は、国内外での市場シェアの拡大に加え、生産性の向上や新製品の投入などで、持続的な成長を目指しています。また、ESG経営にも注力し、環境負荷の低減や社会的責任の遂行にも取り組んでいます。今後も、安定した収益基盤と健全な財務体質を維持しながら、企業価値の向上に努めていくことが期待されます。
編集部のまとめ
ニチハ株式会社は、主力の窯業系外装材事業を中心に、安定した収益基盤と健全な財務体質を維持しています。シェアアップや価格改定などにより、売上高は順調に推移しています。一方で、原材料価格高騰の影響もあり、一時的な減益も見られましたが、全体としては堅調な業績を確保しています。今後も、国内外の市場環境に合わせた事業展開を継続し、持続的な成長を目指していくことが期待されます。
ニチハ株式会社の決算日や配当についてまとめました。
ニチハ株式会社の決算日は3月31日で、四半期決算は6月30日、9月30日、12月31日に行われています。配当については、2023年3月期は年間105.5円の配当を実施しました。今後も、株主還元に努めながら安定した経営基盤の下、持続的な成長を目指していくことが期待されています。