旭化成株式会社の最新の業績報告書を読んでみました。売上高が前年同期比で増加し、営業利益も堅調に推移しました。その一方で親会社株主に帰属する四半期純利益は△12%と減益となっています。それでも全体としては、強固な事業基盤を活かしつつ、各部門で着実な成長が続いている様子が伺えます。
企業情報
企業名: 旭化成株式会社
証券コード: 34070
決算期: 2024年3月期
旭化成株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
旭化成株式会社の決算日は3月31日です。連結業績は年4回の四半期決算で開示されています。
主な事業
旭化成株式会社は、マテリアル、住宅、ヘルスケアの3つの主力事業を展開しています。マテリアル事業では合成樹脂やファイバー製品、住宅事業では注文住宅の建築請負や不動産事業、ヘルスケア事業では医療機器や医薬品などを手掛けています。これらの事業を通じて、社会に必要とされる製品やサービスを提供しています。
今期の業績と利益率は?
当期の連結業績は、売上高が前年同期比2.4%増の2兆641億円、営業利益は同15.0%減の985億円となりました。利益率としては、営業利益率は4.8%、経常利益率は4.4%、親会社株主に帰属する四半期純利益率は2.8%となっています。
売上・利益の推移
過去3年間の売上高は2兆円前後で推移し、営業利益も900億円前後の水準を維持しています。一時的に営業環境が厳しい局面もありましたが、全体としては安定した業績を上げ続けています。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の総資産は3兆6,507億円と、前連結会計年度末に比べて約1,968億円増加しました。負債も1兆8,690億円と約1,105億円増加しています。一方で、純資産は1兆7,816億円となり、自己資本比率は47.8%と健全な水準を維持しています。
資産の部
資産の主な増加要因は、現金及び預金が1,070億円、有形固定資産が309億円、受取手形、売掛金及び契約資産が307億円などの増加です。これらは事業活動の活発化を示しているといえます。
負債の部
負債の増加は、有利子負債が1,022億円、支払手形及び買掛金が232億円の増加によるものです。一方で、未払費用が225億円減少しています。
純資産の部
純資産は、配当金の支払があったものの、為替換算調整勘定が738億円増加したことなどから、前連結会計年度末に比べて863億円増加しています。この結果、自己資本比率は47.8%となっています。
ROAとROE
ROAは前年同期の5.5%から4.4%へ低下しましたが、これは主に業績の変動によるものです。一方、ROEは前年同期の4.1%から3.3%へ低下しています。これは利益率の低下と自己資本の増加が影響しているようです。今後は収益性の改善とともに、株主資本の効率的な活用が課題といえるでしょう。
キャッシュフロー
営業活動によるキャッシュフローは1,709億円の収入となり、前年同期に比べ1,697億円の増加となりました。これは税金等調整前四半期純利益が堅調に推移したことや、売上債権の減少などによるものです。一方、投資活動によるキャッシュフローは1,167億円の支出と前年同期に比べ867億円減少しました。これにより、フリー・キャッシュフローは542億円と大幅に改善されています。
配当の支払額
当期の配当金は、中間配当が1株当たり18円、期末配当も18円を予定しています。前期の年間配当36円から変わらず、着実な株主還元を行っています。
今後の展望
今後は、各事業の成長戦略をさらに加速化させ、収益力の向上に取り組む方針です。マテリアル事業では、中国市場の回復や価格転嫁による業績改善、住宅事業では海外事業の拡大、ヘルスケア事業では医薬品の新製品投入などが期待されています。全体として、持続的な成長を目指していくと見られます。
編集部のまとめ
旭化成株式会社は、マテリアル、住宅、ヘルスケアの3つの主力事業を軸に、安定した業績を維持しています。今期は一時的な減益があったものの、引き続き成長戦略を強力に推進しており、今後の業績拡大が期待されます。財務面でも、健全な財務体質を維持しながら、株主還元も継続的に行っていく姿勢が窺えます。旭化成株式会社の今後の動向にも注目していきたいと思います。
旭化成株式会社の決算日や配当についてまとめました。
旭化成株式会社の決算日は3月31日で、年4回の四半期決算を行っています。また、年間配当は中間配当と期末配当合わせて1株当たり36円を見込んでいます。配当性向は高くないものの、着実な株主還元を行っていることがわかります。今後も安定した経営と株主還元を続けていくことが期待されます。