寺崎電気産業株式会社の第3四半期決算が発表されました。売上高は前年同期に比べ21.2%増加し、経常利益も前年同期比で大幅な80.4%増となりました。設備投資が堅調に推移し、製品需要も好調に推移した結果だと見られます。今後も脱炭素社会やDX化に向けた投資の増加が期待できそうです。
企業情報
企業名: 寺崎電気産業株式会社
証券コード: 66370
決算期: 3月期
寺崎電気産業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
寺崎電気産業株式会社の決算期は3月期で、決算日は3月31日です。四半期決算は6月、9月、12月の各末日に実施し、その結果を四半期報告書として開示しています。
主な事業
寺崎電気産業株式会社は、配電制御システムや低圧遮断器などの電気機器の製造・販売を主な事業としています。特に、造船向けの船舶用システム製品や、脱炭素化に向けたグリーンエネルギー関連の産業用システム製品の販売が好調です。また、メディカルデバイスの製造・販売や、建物設備の点検・更新などのエンジニアリング事業にも注力しています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の売上高は38,184百万円と前年同期比21.2%の増加、営業利益は3,281百万円と前年同期比90.7%の大幅な増益となりました。売上高に対する営業利益率は8.6%と、高い水準を維持しています。原材料価格の高止まりによる影響はあるものの、需要増加に加え為替が円安で推移したことが業績拡大につながりました。
売上・利益の推移
過去3年の売上高推移をみると、2023年3月期が44,253百万円、2022年3月期が40,629百万円、2021年3月期が35,075百万円と、着実に増加してきました。同様に経常利益も、2023年3月期が3,479百万円、2022年3月期が2,583百万円、2021年3月期が1,665百万円とこの3年間で約2倍に増加しています。造船向けや産業用システム製品の販売が好調に推移したことが、業績拡大につながった要因です。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末の貸借対照表をみると、総資産は前期末比3,871百万円増の63,814百万円となりました。主な増加要因は、受取手形及び売掛金の増加や棚卸資産の増加によるものです。一方で負債は前期末比302百万円増の19,615百万円にとどまりました。純資産は前期末比3,569百万円増の44,199百万円となり、自己資本比率は69.3%と健全な財務状況を維持しています。
資産の部
流動資産では、受取手形及び売掛金が前期末比1,733百万円増の16,452百万円、棚卸資産が前期末比1,906百万円増の16,472百万円となりました。固定資産では、有形固定資産が前期末比703百万円増の11,884百万円となっています。受注増加に伴う在庫積み増しと、設備投資の継続により、資産が着実に積み上がっています。
負債の部
流動負債では、支払手形及び買掛金が前期末比329百万円増の4,613百万円、電子記録債務が前期末比519百万円増の4,542百万円となりました。一方で固定負債では、長期借入金が前期末比412百万円減少し1,100百万円となりました。設備投資資金の調達は順調に進んでいるものの、借入金は抑制傾向にあります。
純資産の部
純資産合計は前期末比3,569百万円増の44,199百万円となりました。利益剰余金が2,766百万円増加し、為替換算調整勘定も906百万円の増加となりました。収益力向上とともに、自己資本の充実も進んでいます。
ROAとROE
ROA(総資産利益率)は、前期末の5.8%から当第3四半期連結累計期間末では年率換算で6.3%となり、ROE(自己資本利益率)も前期末の5.8%から当第3四半期連結累計期間末では年率換算で7.7%に改善しています。売上や利益の増加に加え、自己資本の充実によって、収益性と資本効率が向上してきています。
キャッシュフロー
当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況については開示されていませんが、営業活動によるキャッシュ・フローが安定的に確保されていると考えられます。一方で、設備投資に伴う支出や、借入金の返済などにより、財務活動によるキャッシュ・フローはマイナスとなっている可能性があります。収益力の高さを活かしつつ、設備投資資金の調達や財務基盤の強化にも取り組んでいるものと見られます。
配当の支払額
寺崎電気産業株式会社は、当第3四半期連結累計期間において年間配当金を22円(中間配当10円、期末配当12円)と前期に比べ4円増配しました。増益基調を反映し、株主還元の強化にも取り組んでいます。今後も安定的な配当の実施が期待されます。
今後の展望
造船市場やDX化関連の需要が堅調に推移するなか、寺崎電気産業株式会社は中期経営計画の達成に向けて、製品の開発力強化、生産性向上、海外展開の加速に取り組んでいきます。特に、脱炭素化や省人化に向けたシステム製品の提案力を高め、成長分野での受注獲得を目指します。また、設備の増強や人材採用の強化など、持続的な成長に向けた経営基盤の強化にも注力していく方針です。
編集部のまとめ
寺崎電気産業株式会社の第3四半期決算は、売上高、利益ともに大幅な増加となりました。造船向けや産業用システム製品の好調な販売に加え、為替の影響もプラスに作用しました。今後も、脱炭素化やDX化への取り組みを強化し、成長分野での受注獲得を目指すとともに、生産性の向上や海外展開の加速、財務体質の強化などにより、持続的な成長を目指していくと期待できます。
寺崎電気産業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
寺崎電気産業株式会社の決算期は3月期で、決算日は3月31日です。四半期決算は6月、9月、12月の各末日に実施しています。また、同社は当期の年間配当金を前期比4円増の22円に引き上げる計画で、安定した株主還元に取り組んでいます。今後も継続的な配当増加が期待されます。