日本冶金工業株式会社の2023年度第3四半期決算報告書が公開されました。ステンレス鋼板及びその加工品事業を主力とする同社は、売上高137,787百万円、経常利益15,327百万円と前年同期比で減収減益となりました。しかしながら、利益率は11.1%と高水準を維持しており、引き続き堅調な業績を残すことができています。
企業情報
企業名: 日本冶金工業株式会社
証券コード: 54800
決算期: 3月31日
日本冶金工業株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
日本冶金工業株式会社の決算期は3月31日です。第3四半期決算の報告書は2024年2月14日に公表されました。
主な事業
日本冶金工業株式会社は、ステンレス鋼板及びその加工品を主力事業としています。ステンレススチールの生産、加工、販売を行っており、厨房用品や建築資材向けの製品などを幅広く手がけています。自動車や半導体製造装置などの幅広い産業分野で同社の製品を使用されており、安定した需要に支えられています。
今期の業績と利益率は?
当第3四半期連結累計期間の売上高は137,787百万円と前年同期比で12.2%の減収となりました。一方で、経常利益は15,327百万円と前年同期比で30.4%の減益でした。しかし、経常利益率は11.1%と引き続き高水準を維持しており、業績は全体的に好調といえます。
売上・利益の推移
売上高は前年同期比で12.2%減の137,787百万円、経常利益は30.4%減の15,327百万円と、ともに減少しました。これは主に販売数量の減少とニッケル価格の下落による在庫評価損の影響によるものです。一方で、経常利益率は11.1%と高水準を維持しており、収益力は依然として強い水準にあるといえます。
四半期連結貸借対照表について
当第3四半期連結会計期間末における総資産は213,611百万円となり、前連結会計年度末対比8,683百万円減少しています。負債は127,749百万円と14,926百万円減少し、純資産は85,862百万円と6,243百万円増加しました。
資産の部
資産の部では、棚卸資産の減少(△7,089百万円)と売上債権の減少(△2,726百万円)が主な要因となっています。これにより、総資産が8,683百万円減少しました。
負債の部
負債の部では、未払法人税等の減少(△8,018百万円)と仕入債務の減少(△3,146百万円)が主な要因となっており、合計で14,926百万円減少しています。
純資産の部
純資産の部では、利益剰余金が増加したことから6,243百万円増加し、自己資本比率は40.2%となりました。
ROAとROE
ROAは前年同期の7.0%から5.1%に、ROEは前年同期の15.1%から12.6%に低下しています。これは主に、販売数量の減少に伴う経常利益の減少によるものです。ただし、いずれも二桁台を維持しており、依然として高水準の収益性を確保できています。
キャッシュフロー
四半期連結キャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、具体的な数値は確認できません。ただし、業績の好調さから、順調にキャッシュを生み出していると考えられます。今後の設備投資や事業展開、株主還元などに有効活用されることが期待されます。
配当の支払額
当第3四半期連結累計期間では、中間配当として1株当たり100円の配当を実施しています。前年同期の70円から増配となっており、株主還元を積極的に行っていることがわかります。
今後の展望
今後の事業環境としては、地政学リスクの長期化や中国経済減速の影響などが懸念されるものの、自動車や建設分野を中心に安定した需要が期待できます。同社は高機能材への注力や新製品の開発などを通じて、収益力の維持・向上を目指していく方針です。
編集部のまとめ
日本冶金工業株式会社の2023年度第3四半期決算は減収減益となりましたが、高い収益性を維持しており、今後も安定的な業績を残すことが期待されます。同社の主力事業であるステンレス鋼板は幅広い産業分野で需要が見込めるため、引き続き同社の強みを発揮できると考えられます。また、積極的な株主還元の実施も注目に値します。日本冶金工業の今後の動向に期待が高まります。
日本冶金工業株式会社の決算日や配当についてまとめました。
日本冶金工業株式会社の決算日は3月31日で、第3四半期の決算報告は2024年2月14日に行われました。配当については、当第3四半期連結累計期間では1株当たり100円の中間配当を実施しており、前年同期から増配となっています。今後も安定的な配当を継続することが期待されます。