この記事のポイント
- ツツミ(証券コード7937)は埼玉県蕨市に本社を置く宝飾品専門の東証スタンダード上場企業
- 直近本決算は大幅な増収増益となり、ネックレス・ブレスレットが特に好調だった
- 株価は2,500円台〜3,000円台で推移し、配当利回りは4%前後の水準にある
- 自社製品の割引が受けられる株主優待制度があり、電子チケット化が進んでいる
- 今期は会社側が慎重な見通しを示しており、金価格や消費動向の影響を受けやすい
株式投資の銘柄選びをしていると、「株ツツミ」というキーワードで検索する人が増えている。これは株式会社ツツミ(証券コード7937・東証スタンダード市場)という宝飾品専門企業を指すケースがほとんどだ。ジュエリー業界の中でも独自の生産・流通体制を持つ企業として知られており、個人投資家の間でも配当や株主優待の観点から注目されている銘柄のひとつといえる。この記事では、ツツミという会社の基本情報から直近の業績、株価、配当、株主優待までを、資産運用の視点で整理していく。
株式会社ツツミとはどんな企業か
ツツミは1962年に創業し、1973年に法人として設立された宝飾品企業である。本社は埼玉県蕨市に置かれており、東京証券取引所スタンダード市場に上場している。従業員数は878名前後(2025年3月時点)、資本金は130億9,880万円と、中堅ジュエリー企業としては比較的規模の大きい会社だ。
ポイント:ツツミは宝石の買い付けから製造・卸・小売までを一貫して手がける「垂直統合型」の宝飾品企業である点が特徴。国内でもダイヤモンドの輸入量が上位クラスとされており、原材料調達から店頭販売まで自社グループでコントロールできる体制を持っている。
この一貫生産・流通システムは、外部の卸業者を挟む同業他社と比べてコスト構造の面で優位に働きやすいとされる。ダイヤモンドやゴールドといった素材価格が変動しやすい局面でも、川上から川下まで自社で抱えることで、価格転嫁や仕入れコントロールの柔軟性を確保しやすいというのが強みだ。
事業内容とビジネスモデル
ツツミの事業は大きく分けて「宝飾品の製造・卸売」と「直営店舗による小売」の二本柱で構成されている。売上構成比で見ると小売が約9割、卸売が約1割を占めており、直営小売がビジネスの中心であることが分かる。
直営店舗は首都圏を中心に全国へ展開されており、店舗数は151店舗前後(2025年3月時点)にのぼる。百貨店やショッピングモール内へのテナント出店が多く、日常的な買い物動線の中でジュエリーに触れてもらう販売戦略をとっている。
知っておきたいこと:宝飾小売業は消費者の可処分所得や婚礼需要、贈答需要の影響を受けやすい業態である。景気動向や物価上昇による節約志向が強まる局面では、単価の高い宝飾品の購買意欲が鈍る可能性がある点は押さえておきたい。
取扱商品のラインナップ
ダイヤモンドを中心としたブライダルジュエリーに加え、ネックレスやブレスレットといったファッション性の高いアクセサリー類も主力商品となっている。近年はネックレス・ブレスレットカテゴリーの伸びが大きく、決算内容にも色濃く反映されている。
直近の業績・決算内容
2026年3月期の本決算では、売上高352億2,500万円(前期比41.8%増)、営業利益52億4,300万円(同117.6%増)という大幅な増収増益を達成した。中でもネックレス・ブレスレットが前期比59.7%増と大きく伸長し、業績を牽引する形となった。
チェックポイント:営業利益の伸び率が売上の伸び率を大きく上回っている点は、販売単価の上昇や店舗運営効率の改善が利益率の押し上げに寄与した可能性を示している。増収だけでなく増益幅にも注目したい決算内容だった。
一方で、2027年3月期(今期)については会社側が減収減益となる見通しを示している。前期の大幅な伸びの反動に加え、消費者マインドや素材コストの変動といった外部環境の変化を織り込んだ、やや保守的な計画とみられる。2027年3月期第1四半期の経常利益は約2億9,900万円となっており、通期計画に対する進捗が今後の焦点となる。
| 項目 | 内容(目安) |
|---|---|
| 2026年3月期 売上高 | 約352億円(前期比41.8%増) |
| 2026年3月期 営業利益 | 約52億円(前期比117.6%増) |
| 主力伸長カテゴリー | ネックレス・ブレスレット(前期比59.7%増) |
| 2027年3月期 会社計画 | 減収減益を見込む |
株価の動き
ツツミの株価は2026年に入ってから3,000円前後の水準で推移する場面が多く、直近(8月中旬時点)では2,500円台での取引も見られる。時価総額はおよそ407億円(8月上旬時点)、PER(株価収益率)予想は約14.56倍とされている。
ポイント:PERの水準は東証スタンダード市場の小売関連銘柄と比較して極端に割高でも割安でもない、中庸なレンジにあるといえる。業績の伸び率と株価のバランスを見ながら判断したいところだ。
宝飾品小売株は、金やダイヤモンドといった素材価格の動向、そしてインバウンド需要や国内の個人消費動向といったマクロ環境の影響を受けやすい銘柄でもある。株価の短期的な値動きだけでなく、こうした外部環境の変化を合わせて確認しておくと、より納得感のある投資判断につながりやすい。
配当・配当利回り
2026年3月期のツツミの年間配当は1株あたり90円となった。8月時点の株価をベースにすると、配当利回りはおよそ4%前後という水準にあり、東証全体の平均的な利回りと比べても相対的に高めの部類に入る。
知っておきたいこと:ツツミは2025年から配当の支払い時期を見直しており、従来の「3月・9月の年2回」から「3月のみの年1回」に変更されている。あわせて、これまで3月に贈られていたQUOカードの進呈も取りやめとなった。配当スケジュールが変わった銘柄は、権利確定日の把握に注意したい。
配当方針の変更は、企業が株主還元の手法を柔軟に見直している証でもある。年1回にまとめることで管理コストを抑えつつ、その分を配当額や株主優待の内容に振り向けている可能性もあり、還元姿勢そのものが後退したとは一概には言えない。
株主優待の内容
ツツミは自社製品を対象とした15%割引クーポンを株主優待として提供している。保有株式数に応じてクーポン枚数が変わる仕組みで、100株以上の保有で1枚、500株以上の保有で2枚のクーポンが受け取れる。
チェックポイント:優待の受け取り方法は紙のチケットから電子チケットへと切り替わっている。配当関連の書類とあわせて送られる通知に印字されたコードをスマートフォンで読み込むと、電子チケットが表示され、店頭での割引適用に利用できる仕組みだ。
ジュエリー製品は単価が高いため、15%という割引率は実際の購入金額に換算すると比較的大きなメリットになりやすい。婚約指輪や記念日のジュエリー購入を検討しているタイミングと株主優待の権利取得が重なれば、実質的な還元効果を感じやすい優待内容といえるだろう。
株を検討する際のポイント
ツツミへの投資を検討する際は、以下のような視点を押さえておくと判断がしやすくなる。
- 素材価格の動向:金やダイヤモンドの価格上昇は仕入れコストの増加要因になる一方、ブランド力次第では販売価格への転嫁もしやすい
- 消費者マインド:贈答・記念日需要を中心とするため、景気や物価動向による節約志向の強弱が業績に影響しやすい
- インバウンド需要:訪日客の消費動向が店舗によっては売上に一定の影響を与える可能性がある
- 今期の会社計画:前期の大幅増益の反動で今期は減収減益予想となっているため、四半期ごとの進捗確認が重要になる
意外な盲点:好決算が続いた翌期に会社側が保守的な計画を出すのは珍しくない。計画の数字だけを見て「業績が悪化している」と早合点せず、四半期ごとの実績が計画をどう上回る・下回るかという進捗率で判断する視点を持つと、値動きに振り回されにくくなる。
まとめ
ツツミ(7937)は、宝石の買い付けから製造・卸・小売までを一貫して手がける、国内でも有数の規模を持つ宝飾品専門企業である。直近の本決算では売上・営業利益ともに大幅な伸びを記録し、ネックレスやブレスレットといったファッション性の高い商品カテゴリーが業績を押し上げた。株価は2,500円台から3,000円台のレンジで推移し、配当利回りはおよそ4%前後、さらに自社製品の15%割引クーポンという株主優待も用意されており、配当と優待の両面から株主還元に積極的な姿勢がうかがえる。一方で今期は会社側が減収減益を見込んでおり、素材価格や消費者マインドといった外部環境の変化には引き続き注意を払いたい。配当の支払い時期変更や優待の電子チケット化など制度面のアップデートも行われているため、投資を検討する際は最新の権利確定日やスケジュールをあわせて確認しておくと安心だ。
ツツミ株(7937)の株価と配当・株主優待を整理をまとめました
ツツミは一貫生産・流通体制を強みとする宝飾品企業で、直近決算は大幅増収増益。株価は2,500〜3,000円台、配当利回りは4%前後、自社製品15%割引の株主優待も用意されている。今期は保守的な会社計画が示されているため、四半期ごとの進捗と素材価格・消費動向の変化を確認しながら、長期的な視点で状況を見極めていきたい。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、金融アドバイスではありません。個別のケースについては専門家にご相談ください。




















