- 「三菱UFJリース」は2021年4月の経営統合を経て、現在は「三菱HCキャピタル」(証券コード8593)として東証プライムに上場している
- 2026年3月期は売上高2兆2,153億円(前期比6.0%増)、純利益1,622億円(前期比20.0%増)と増収増益
- 1株配当は10期連続の増配が続いており、2027年3月期は51円(予想)まで積み上がる見通し
- 予想PERは11倍台、PBRは1倍前後と、国内の総合リース大手の中でも比較的落ち着いた水準で推移している
- 2026〜2028年度の中期経営計画ではROE10%を最重要指標に掲げ、再生可能エネルギーや中古半導体製造装置など高付加価値分野への展開を強めている
三菱UFJリースは今「三菱HCキャピタル」に ― 社名変更の経緯を整理
「三菱UFJリース 株」で検索すると今も多くの人がたどり着くこの社名だが、実はこの名前の上場企業はすでに存在しない。三菱UFJリースは2021年4月1日、日立製作所グループの日立キャピタルと経営統合し、商号を三菱HCキャピタル株式会社に変更した。形式としては三菱UFJリースを存続会社とし、日立キャピタルを吸収する合併で、統合に先立って日立キャピタルは2021年3月に上場を廃止している。
ポイント: 証券コード8593で取引されているのは、現在は「三菱HCキャピタル」。社名が変わっただけで会社の実体・上場コードは引き継がれているため、株式を調べる際は現在の正式名称で検索すると最新情報が見つけやすい。
統合の背景には、両社が2016年8月から資本業務提携を結んでいた経緯があり、日立製作所が日立キャピタル株式の一部をMUFGおよび三菱UFJリース側に譲渡したことが統合に至る大きな流れになったとされている。発足当初の株主構成は、日立製作所グループが一定の株式を継続保有し、三菱商事やMUFGも主要株主として名を連ねる体制になった。こうした経緯から、三菱HCキャピタルは単なる社名変更ではなく、リース業界における大型の経営統合として位置づけられている。
投資情報サイトや証券会社のツールで銘柄を調べる場合は、社名欄が「三菱UFJリース」のままになっているケースもあるため、証券コード8593であることを基準に確認すると混乱を避けやすい。
業績を数字で確認 ― 2026年3月期の決算をおさらい
社名は変わったものの、事業の中身は国内外での各種物件のリース、割賦販売、各種ファイナンス業務を軸にしており、航空機や船舶、環境・エネルギー関連設備、情報機器など幅広い分野を手がける総合リース会社という立ち位置は変わっていない。直近の決算では、増収増益の流れが続いている点が読者にとって気になるポイントだろう。
| 項目 | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 連結売上高 | 2兆2,153億円 | +6.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,622億円 | +20.0% |
純利益の伸びが売上高の伸びを大きく上回っている点は、収益性の改善が進んでいることを示すシグナルとして注目されている。リース事業は資産効率やポートフォリオの入れ替えが利益率に直結しやすいため、数字の伸び方そのものに意味がある。
従業員数についても、連結ベースで7,000人台後半から8,000人台前半という規模感の情報があり、国内外に広がる拠点網を背景に、グループ全体で安定した事業基盤を持っていることがうかがえる。こうした規模のリース会社は、景気変動の影響を受けにくい設備投資需要を取り込みやすい点も特徴とされている。
配当と株主還元 ― 連続増配の実績を確認する
株式投資・資産運用の観点でこの銘柄を見るとき、多くの読者が気にするのはやはり配当だろう。三菱HCキャピタルは10期連続の増配を続けており、配当の積み上げペースが安定している点が評価されている。
| 決算期 | 1株配当(年間) |
|---|---|
| 2022年3月期 | 28円 |
| 2026年3月期 | 46円 |
| 2027年3月期(予想・中間25円+期末26円) | 51円 |
配当方針としては、配当性向40%以上を中期的な目安として掲げており、2027年3月期の予想配当性向は45.8%とされている。利益の伸びに応じて株主還元も拡大する姿勢が明確になっている。
予想配当利回りは時期によって変動するが、3%台半ばという水準が確認されており、国内の高配当株を探す読者にとって比較対象になりやすい銘柄と評価されている。ただし株主優待制度は設けられていないため、優待目的での保有には向かない点は押さえておきたい。
株価指標で見る割安度 ― PERとPBRをチェック
株価そのものは市場環境によって上下するが、直近の年初来の値動きを振り返ると、高値は1,500円台、安値は1,200円台で推移しており、比較的レンジの安定した値動きになっている時期が多い。
| 指標 | 目安水準 |
|---|---|
| 予想PER | 11〜12倍台 |
| PBR | 0.9〜1.0倍前後 |
| 予想配当利回り | 3%台半ば |
PBRが1倍前後というのは、市場の評価が資産価値に近い水準にあることを意味する。総合リース業は保有資産の規模が大きいビジネスモデルのため、PBRは他業種と単純比較しにくいが、同業他社と見比べる際の目安として使いやすい。
これらの指標はあくまで取得時点のスナップショットであり、決算発表や市況によって日々変動する。投資判断の材料にする場合は、必ず最新の株価情報を証券会社のツールなどで確認してから検討することが欠かせない。
2026〜2028年度の中期経営計画 ― 成長戦略のポイント
三菱HCキャピタルは2026年度からの新しい中期経営計画で、ROE10%を最重要指標に据えている。これは株主資本コストを上回るリターンを安定的に生み出すことを目指す姿勢の表れで、資産効率の改善をこれまで以上に重視する方針といえる。
中計では事業・財務・デジタル・人財/カルチャーの4つを推進力として位置づけており、単なる資産の積み上げではなく、質の高い案件への入れ替えを進める方向性が示されている。
具体的な取り組みとしては、欧州における再生可能エネルギー事業の拡大、水素関連インフラへの関与、中古半導体製造装置のリファービッシュ(再生・再販)事業など、環境対応と高付加価値化を両立させる分野への展開が進められている。こうした分野は世界的な脱炭素の流れや半導体需要の拡大と結びついており、中長期的な成長ドライバーとして位置づけられている。
資本効率の面では、資産・負債の期間や金利構成を見直すALM(資産負債管理)の最適化にも力を入れており、金利環境の変化に対する耐性を高める狙いがあるとされている。
投資家が確認しておきたいポイント
総合リース業は、リース資産の価値変動や取引先の信用状況、金利動向の影響を受けやすい事業構造になっている。特に金利が上昇する局面では資金調達コストが増える一方、保有資産の利回りとのバランスをどう取るかが利益の伸び方に影響してくる。
知っておくべきこと: リース業は海外事業の比重が高い企業も多く、為替の変動が業績に影響を与えることがある。保有する前に、事業セグメントごとの構成比を一度確認しておくと安心材料になる。
また、社名が変わってからすでに数年が経過しているため、ニュースや企業情報を調べる際は「三菱UFJリース」ではなく「三菱HCキャピタル」のキーワードで検索したほうが、決算情報や統合報告書など最新の開示資料にたどり着きやすい。社名の変化は投資判断そのものに直結する話ではないが、情報収集の入り口として押さえておく価値がある。
増配の継続や配当性向の方針、ROE目標といった要素は、長期で株式を持ちたい人にとって判断材料になりやすい指標。短期の値動きだけでなく、こうした中長期の方針もあわせて見ておくと、企業への理解が深まりやすい。
まとめ
「三菱UFJリース」という社名は2021年4月の経営統合をきっかけに「三菱HCキャピタル」へ変わっており、証券コード8593として現在も東証プライムに上場を続けている。2026年3月期は増収増益となり、1株配当は10期連続の増配を記録、2027年3月期もさらなる増配が見込まれている。PERやPBRは落ち着いた水準で推移しており、割安感を評価する声もある。2026〜2028年度の中期経営計画ではROE10%を掲げ、再生可能エネルギーや中古半導体装置のリファービッシュなど高付加価値分野への展開を強めている点も、今後の成長を考えるうえで押さえておきたいポイントだ。株式を検討する際は、社名の変遷を理解したうえで、最新の決算情報や株価指標を確認する習慣を持つことが大切になる。
三菱UFJリースは三菱HCキャピタルに社名変更|配当10期連続増配を読む
かつて三菱UFJリースと呼ばれていた会社は、現在は三菱HCキャピタルという社名で証券コード8593のまま取引が続いている。業績は増収増益が続き、配当は10期連続で増加、株価指標も比較的落ち着いた水準にある。中期経営計画ではROE10%を軸に、環境・エネルギーや高付加価値分野への展開を進めている点が、今後の株式としての評価を考える上でのポイントになる。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、金融アドバイスではありません。個別のケースについては専門家にご相談ください。

















