モビルス株式会社(E36795)の2023年9月期第1四半期決算が発表されました。売上高381百万円、営業損失100百万円と、前年同期に比べ売上は微減ながら、人件費増加などにより損失が拡大しています。一方で、注目の指標であるARRは983百万円と堅調に推移しており、今後の業績回復を期待したいところです。
企業情報
企業名: モビルス株式会社
証券コード: E36795
決算期: 8月期
モビルス株式会社の決算日・決算時期(スケジュール)は?
モビルス株式会社は8月決算の上場企業で、決算発表は例年11月頃となっています。直近の第1四半期決算は2023年9月1日から11月30日までの3ヶ月間の業績で、2024年1月12日に発表されています。
主な事業
モビルス株式会社はSaaSソリューション事業を主力としており、コンタクトセンター向けAIチャットボットや音声応答システムなどのソフトウェアを開発・提供しています。顧客のコンタクトセンター業務の効率化やオペレーターの負担軽減に貢献する製品群を展開しており、金融や製造、サービス業など幅広い業界のリーディング企業に導入されています。
今期の業績と利益率は?
当第1四半期の業績は、売上高381百万円、営業損失100百万円となりました。売上高は前年同期比0.5%減と微減ですが、費用面では人件費の増加などから営業損失が拡大しています。利益率については、営業利益率は-26.4%と赤字幅が拡大しましたが、今後の業績回復に期待がかかっています。
売上・利益の推移
モビルス株式会社の売上高は2023年8月期に1,595百万円を計上しており、前年同期比4.6%増と堅調に推移しています。一方で利益面では、人件費の増加などから経常損失は152百万円となっています。売上は概ね順調ですが、今後の利益率改善が課題となっています。
四半期連結貸借対照表について
モビルス株式会社は四半期連結財務諸表を作成していないため、四半期貸借対照表の数値で確認することとします。
資産の部
当第1四半期末の総資産は2,381百万円となっています。うち流動資産は1,708百万円で、現金預金が241百万円、売掛金が171百万円となっています。固定資産は670百万円で、無形固定資産が598百万円を占めています。
負債の部
負債合計は530百万円です。流動負債は217百万円、固定負債は312百万円となっています。固定負債の中心は300百万円の長期借入金です。
純資産の部
純資産合計は1,851百万円となっています。資本金が438百万円、資本剰余金が1,406百万円、利益剰余金が80百万円となっており、自己資本比率は77.7%と健全な水準を維持しています。
ROAとROE
2023年8月期のROAは-6.8%、ROEは-9.4%と低水準となっています。これは、売上は堅調ながらも営業損失の計上により、収益性が低下していることが原因です。今後は 収益性の改善が重要な課題となっています。
キャッシュフロー
キャッシュ・フロー計算書は作成されていませんが、四半期貸借対照表上の現金預金残高が241百万円と安定した水準を維持しています。営業活動によるキャッシュ・フローの改善に努め、設備投資やM&Aなどに活用していくことが期待されます。
配当の支払額
モビルス株式会社は創業以来、配当を実施していません。成長投資に資金を充当するため、内部留保の充実を優先しているものと考えられます。今後の業績回復とともに、株主還元策の検討が期待されます。
今後の展望
モビルス株式会社は、コンタクトセンター業務の効率化ニーズの高まりを背景にSaaSサービスを中心とした事業を展開しています。当第1四半期は採用費増加などから赤字計上となりましたが、SaaSサービスの契約数は順調に拡大しており、今後の利益率改善が期待されます。引き続き、コストコントロールを行いつつ、製品力の向上とマーケティング強化に取り組むことで、業績回復と中長期的な成長につなげていくことが重要です。
編集部のまとめ
モビルス株式会社は、コロナ禍でのリモートワークの浸透を背景に、コンタクトセンター業務の効率化ニーズが高まる中、SaaSサービスを中心に順調に業績を拡大してきました。しかし、当第1四半期は人件費増加から赤字計上となり、収益性の改善が課題となっています。今後は、コストコントロールと製品力向上により、業績回復を目指していくことが重要でしょう。
モビルス株式会社の決算日や配当についてまとめました。
モビルス株式会社は8月決算の上場企業で、直近の第1四半期決算は2023年9月1日から11月30日までの3ヶ月間の業績です。配当については、創業以来実施していません。内部留保の充実を優先しているものの、今後の業績回復とともに、株主還元策の検討が期待されます。