※本記事は一般的な情報提供を目的としており、金融アドバイスではありません。個別のケースについては専門家にご相談ください。
この記事の結論・要点
- クレオ(証券コード9698)は人事給与・会計ERP「ZeeM」を主力とするソフトウェア企業で、スタンダード市場に上場しています。
- 予想配当利回りは4%台と高めの水準で、株主還元への意識が強い銘柄として注目されています。
- 自己資本比率は7割超で実質無借金、現金を厚く持つキャッシュリッチな財務が特徴です。
- 勤怠管理大手のアマノが主要株主で、HRテック領域での連携が成長ドライバーとして期待されています。
- 2027年3月期に向けた中期経営計画では、売上高180億円・ROE12%超という明確な目標を掲げています。
「株クレオ」というキーワードで情報を探している方の多くは、東証スタンダード市場に上場するソフトウェア企業クレオ(9698)の株価や配当、投資する価値があるのかを知りたいのではないでしょうか。社名から化粧品や食品メーカーを連想する方もいますが、株式市場で語られる「クレオ」は人事給与システムを軸にしたIT企業です。本記事では、事業内容から業績、配当、財務、バリュエーションまでを資産運用の視点で順番に整理していきます。
クレオ(9698)とはどんな会社か
クレオは、企業の業務システムを支えるソフトウェア・ソリューションを提供する情報・通信業の企業です。証券コードは9698、東証スタンダード市場に上場しており、時価総額は80億円台の小型株に分類されます。長年にわたり企業の基幹業務を支えてきた老舗のシステム会社で、安定した顧客基盤を持っている点が大きな強みです。
事業セグメントは大きく分けて、自社パッケージを中心としたソリューションサービス、大手企業向けの受託開発、ヘルプデスクやコールセンターを担うサポートサービス、そしてシステム運用・サービスで構成されています。なかでも収益の柱となっているのが、人事給与・会計分野の自社ソリューションです。
企業の「人」と「お金」に関わる基幹システムを扱う事業は景気変動の影響を受けにくいとされ、安定した収益が見込みやすいのが特徴です。クレオが投資家から評価される土台はここにあります。
会社の基本情報まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 証券コード | 9698 |
| 上場市場 | 東証スタンダード市場 |
| 業種 | 情報・通信業(ソフトウェア) |
| 主力製品 | 人事給与・会計ERP「ZeeM」シリーズ |
| 主要株主 | アマノ(持分法適用関連会社) |
| 株主優待 | なし(配当による還元が中心) |
収益の柱「ZeeM」シリーズとストックビジネス
クレオを語るうえで欠かせないのが、主力製品である人事給与・会計・資産管理ERP「ZeeM(ジーム)シリーズ」です。このシリーズは2,000社を超えるユーザー企業に導入されており、給与計算や会計処理といった企業に不可欠な業務を支えています。パッケージソフトの提供にとどまらず、顧客ごとのニーズに合わせたカスタマイズも手掛けている点が、長期的な関係構築につながっています。
人事給与システムは一度導入すると簡単には乗り換えられないため、継続的な保守・運用料が積み上がる「ストック型ビジネス」になりやすい性質があります。クレオの安定収益はこのストック収益が下支えしています。
会計や人事といった領域は法改正への対応が必須であり、制度変更のたびにシステムの更新需要が生まれるのも特徴です。働き方改革やデジタル化の流れのなかで、こうした基幹システムの重要性はむしろ高まっており、クレオにとっては追い風となる構造が続いています。会社側もソリューションサービス事業を成長事業と位置づけ、ストックビジネスの拡充に力を入れています。
アマノとの連携とHRテック領域の広がり
クレオの株主構成を見るうえで重要なのが、勤怠管理ソリューションで知られるアマノが約32%の株式を保有する主要株主であり、クレオがアマノの持分法適用関連会社になっている点です。単なる資本関係にとどまらず、事業面での協業が進んでいるのがポイントです。
クレオの人事給与パッケージ「ZeeM」とアマノの勤怠管理ソリューション「TimePro」が連携することで、勤怠から給与計算までを一気通貫で扱えるHRテック基盤が形づくられています。働き方改革に伴う労務管理の需要を取り込む狙いがあります。
労働時間の管理や給与計算の正確性は、どの企業にとっても避けて通れない課題です。両社の強みを掛け合わせたHR(人材)領域のソリューション拡大は、クレオの中長期的な成長シナリオの中核に位置づけられており、投資家からも事業拡大への期待が寄せられています。
業績の推移と直近の決算
クレオの業績は、派手な急成長ではないものの着実な増収・増益を積み重ねているのが特徴です。直近の2026年3月期決算では、売上高・利益ともに前年を上回る堅調な内容となりました。
| 指標(2026年3月期) | 金額・増減 |
|---|---|
| 売上高 | 約145億6,900万円(前年比 約0.3%増) |
| 営業利益 | 約11億9,400万円(前年比 約5.7%増) |
| 当期純利益 | 約8億700万円(前年比 約15.9%増) |
注目すべきは、売上の伸びは小幅でも利益がしっかり伸びている点です。とくに当期純利益は二桁の伸長を見せており、収益性の改善が進んでいることがうかがえます。ストック収益の積み上がりと、付加価値の高いソリューションへの注力が、利益率の向上に効いていると評価されています。
営業利益率はおおむね8%前後で推移しており、中期的にさらなる改善を目標としています。利益の質が高まっていることは、長期保有を前提とする投資家にとって安心材料になります。
配当の魅力|利回り4%台と還元姿勢
クレオが個人投資家から人気を集める最大の理由のひとつが、高めの配当利回りです。直近では1株あたりの予想配当が引き上げられ、予想配当利回りはおおむね4%台で推移しています。株主優待は実施していないものの、その分を配当で還元する姿勢が明確です。
クレオは配当性向40%程度を一つの目安とする方針を示しており、利益成長に応じて配当を引き上げてきた実績があります。利益の伸びと配当の増加が連動しやすい点は、インカム狙いの投資家にとって魅力的です。
過去を振り返ると、業績の拡大に合わせて増配基調を続けてきたことが確認できます。年度によっては配当性向が一時的に高まる局面もありましたが、安定した利益とキャッシュ創出力が、継続的な還元を支えています。配当利回り4%台という水準は、預金や債券と比べてもインカムゲインの魅力が大きく、長期保有でのリターンを重視する投資スタイルと相性が良いといえます。
配当に関するポイント整理
- 予想配当利回りは約4%台と、市場平均より高めの水準。
- 配当性向40%前後を方針とし、利益成長に応じた増配が期待できる。
- 株主優待はないが、現金配当による還元が中心。
- 安定したストック収益が配当の継続性を下支えしている。
財務の健全性|無借金・キャッシュリッチ
配当の持続性を考えるうえで欠かせないのが財務の健全性ですが、クレオはこの点でも高く評価されています。自己資本比率は7割を超え、実質的に無借金経営を続けています。借入に依存しない経営は、景気が悪化した局面でも事業の継続性が高く、配当の維持力にもつながります。
クレオは総資産に占める現金の比率が高いキャッシュリッチ企業です。手元資金が厚いということは、配当の原資が安定しているだけでなく、将来の投資やM&Aへの余力があることも意味します。
こうした強固なバランスシートは、小型株でありながら下値の堅さにつながる要素です。財務リスクが小さい銘柄は、相場全体が荒れた局面でも比較的安心して保有しやすく、長期投資の土台として評価されています。営業キャッシュフローも安定してプラスを維持しており、本業でしっかり稼いで現金を生み出す体質が定着しています。
株価指標とバリュエーション
投資判断では、株価が割安か割高かを示すバリュエーション指標の確認も欠かせません。クレオの主な指標は以下の通りです。
| 指標 | 目安の水準 |
|---|---|
| PER(株価収益率・予想) | 約11~12倍 |
| PBR(株価純資産倍率・実績) | 約1.3倍 |
| ROE(自己資本利益率・実績) | 約9~10% |
| ROA(総資産利益率・実績) | 約7% |
| 自己資本比率 | 約73% |
PER10倍台前半・PBR1倍台という水準は、利益の安定性や高い配当利回りを踏まえると割安感があると見る向きもあります。ROEも改善傾向にあり、資本効率の向上が今後の株価評価の鍵になります。
小型株は機関投資家の注目を集めにくく、業績が良くても株価が出遅れやすい傾向があります。クレオもその例にもれず、業績や財務の堅実さに比べて株価評価が控えめと捉える投資家が少なくありません。割安に放置された局面を狙う逆張りの発想や、利回り重視のインカム投資との相性が良い銘柄といえます。
中期経営計画と今後の成長期待
クレオは将来の方向性を示す中期経営計画を公表しており、そこには明確な数値目標が掲げられています。最終年度となる2027年3月期に、売上高180億円・営業利益15億円・ROE12%超を目指す内容です。
計画ではソリューションサービス事業を成長の中心に据え、ストックビジネスの拡充と人財強化を推進する方針が示されています。安定収益をさらに厚くしながら、収益性と資本効率を高めていく戦略です。
ROE12%超という目標は、現状からの大きなステップアップであり、達成に近づけば株式市場での評価が見直される余地があります。HRテック領域でのアマノとの連携深化や、クラウド型サービスへのシフトが進めば、ストック収益のさらなる積み上げが期待できます。中長期で成長と還元の両立を狙う企業姿勢は、長期投資家にとって心強いポイントです。
投資する前に押さえておきたい注意点
魅力の多い銘柄ですが、投資にあたって知っておくべきことも整理しておきましょう。
- 小型株ゆえに値動きが大きくなりやすい:出来高が限られるため、ニュースや決算で株価が振れやすい面があります。
- 売上の成長スピードは緩やか:安定型である一方、急成長を期待する投資には不向きな側面があります。
- 配当性向の変動:年度によって配当性向が高まる局面もあるため、利益動向と合わせて確認したいところです。
- 主要株主との関係:アマノとの協業は強みである一方、資本関係の動向は中長期で注視しておきたい要素です。
これらは弱点というよりも、銘柄の性格を理解するうえでの確認事項です。クレオは安定したストック収益・高配当・堅実な財務という三拍子がそろった守りに強いタイプの銘柄であり、値上がり益を一気に狙うよりも、配当を受け取りながらじっくり保有する戦略に向いています。自分の投資方針と照らし合わせて判断することが大切です。
まとめ
クレオ(9698)は、人事給与・会計ERP「ZeeM」を主力とするソフトウェア企業で、2,000社超の顧客基盤に支えられた安定したストック収益を持っています。予想配当利回り4%台、自己資本比率7割超の無借金経営、キャッシュリッチな財務という特徴がそろい、インカム重視・長期保有の投資家にとって検討に値する銘柄です。アマノとのHRテック連携や、ROE12%超を掲げる中期経営計画も、今後の成長と評価見直しへの期待材料となっています。
クレオ(9698)の株価と配当を整理|利回り4%台・無借金のZeeM銘柄
株式市場で語られる「クレオ」とは、東証スタンダード市場のソフトウェア企業クレオ(9698)を指します。高めの配当利回り、堅実な財務、安定したストックビジネスという強みを軸に、緩やかながら着実な成長を続けている点が魅力です。一方で小型株特有の値動きや成長スピードといった特性も理解したうえで、自分の資産運用スタイルに合うかを見極めることが、後悔のない投資判断につながります。最終的な投資の判断は、最新の決算情報や株価水準を確認しながら、ご自身の責任で行うようにしましょう。














